ニュース速報

ビジネス

米財務長官、G20に途上国支援要請へ コロナ終息に向け

2022年02月16日(水)10時20分

2月15日、イエレン米財務長官(写真)は今週開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、途上国での新型コロナウイルス流行を終息に向かわせるための支援を各国に呼び掛ける。ワシントンで1月撮影(2022年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 15日 ロイター] - イエレン米財務長官は今週開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、途上国での新型コロナウイルス流行を終息に向かわせるための支援を各国に呼び掛ける。打撃を受けやすい途上国経済も公平に回復に向かえるように必要な資金などの確保を目指すという。米財務省当局者が15日明らかにした。

イエレン氏は17─18日にインドネシアが主催するG20財務相・中央銀行総裁会議にオンラインで参加する。

世界の多くの先進国で新型コロナのオミクロン変異株の感染が収まりつつある一方、多くの途上国では依然として感染が拡大している。

開催国のインドネシアでは15日の新規感染者が過去最多の5万7049人となった。

先の当局者によると、イエレン氏はG20会議で、誰も取り残されることのない回復を目指し、低所得国のワクチンへのアクセスを改善するように、個々の国の状況に合わせたG20の対応を呼び掛ける予定。

それには、新型コロナのワクチンや治療、診断を提供する上での世界的な障害を解消するための世界銀行や国際通貨基金(IMF)、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)による支援が含まれるという。

イエレン氏は、世銀による感染予防向け国際基金への資金拠出もG20に呼び掛ける。

このほか、世界共通の法人税の最低税率を15%に設定する国際課税ルールについては、合意した136カ国・地域で年内の批准に向けた勢いが維持されており、2023年に導入可能だと自信を示す見通し。

先の当局者は、米議会の民主党は国際課税ルールをおおむね支持していると説明。イエレン氏は気候変動・社会保障関連歳出法案「ビルド・バック・ベター(よりよき再建)」の一部に組み込まれると考えているという。

イエレン氏はまた、脱炭素への民間資本の利用を含め、炭素排出削減目標の達成に向けたより積極的な気候変動対策をG20各国に求める意向だ。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動

ビジネス

必要なら利上げも、インフレは今年改善なく=ボウマン

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中