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中国アント、クラウドファンディングによる医療共済事業を閉鎖へ
中国電子商取引大手アリババ・グループ傘下の金融会社、アント・グループは28日、クラウドファンディングによる医療共済事業「Xianghubao(相互宝)」を来年1月28日付けで閉鎖すると発表した。中国で金融技術への規制が強化される中での決定となる。写真は2020年10月撮影(2021年 ロイター/Aly Song)
[北京 28日 ロイター] - 中国電子商取引大手アリババ・グループ傘下の金融会社、アント・グループは28日、クラウドファンディングによる医療共済事業「Xianghubao(相互宝)」を来年1月28日付けで閉鎖すると発表した。中国で金融技術への規制が強化される中での決定となる。
アントは、過去1年で「相互扶助業界が大きく変化した」ことから今回の決定に至り、利用者の利益を守ることが狙いと述べた。
相互宝は、種々の重症疾患をカバーする基本的な医療保険を利用者に提供している。加入は無料だが、病気になった場合の医療費は会員全員で負担する。
「相互扶助」と呼ばれるこの業界は、規制当局がオンラインプラットフォームの金融業務への規制を強化しているため、昨年から規制当局の監視下に置かれている。
中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC)は昨年から、全てのオンライン金融活動は規制当局の監督と認可が必要とした。相互扶助プラットフォームは、CBIRCの認可を受けていない。
相互扶助業界の大手の1つで、インターネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)支援の水滴公司(ウォータードロップ)は3月にサービスを終了したほか、フードデリバリー大手の美団も1月に医療共済サービスを終了した。
アントによると、相互宝は1億人超の会員にサービスを提供しており、2018年の事業開始以来、病気になった17万9127人の利用者が同プラットフォームからの支援を受けた。