ニュース速報

ビジネス

英失業率、1─3月は4.8%に改善 封鎖解除で4月の雇用増加

2021年05月18日(火)17時39分

 5月18日 英国立統計局(ONS)が発表した1ー3月の失業率は4.8%と、再び予想外に改善した。写真はロンドン市内にある職業安定所。2020年8月撮影(2021年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 18日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が18日発表した1─3月の失業率は4.8%と、再び予想外に改善した。

1─3月は厳格なロックダウン(都市封鎖)が導入されていた。

ロイターがまとめた市場予想は4.9%で変わらずだった。

別の統計によると、4月の被雇用者数は前月から9万7000人増加。新型コロナウイルス感染による封鎖措置の解除が寄与した。4月に屋外サービスが一部再開された接客部門の落ち込みがパンデミック(世界的大流行)期間では最も小さくなったほか、管理・サポート部門と金融・保険部門の雇用が増加をけん引した。

ONSによると、被雇用者は、英国で新型コロナが流行する前の2020年2月の水準まで、あと77万2000人に迫った。

今回の統計では、英国の労働市場が当初懸念されていたほど悪化していないことが示された。政府の雇用対策などが寄与したとみられる。

1ー3月の就業者は8万4000人増と、新型コロナ危機が始まって以降初めて増加に転じた。市場予想は5万人増だった。失業者は12万1000人減少した。

ただ、不就労率は上昇。男性は過去最高を記録した。

ONSの幹部は「多くの企業が事業を再開しており、特に接客・娯楽などの分野で4月も求人の増加が続いた」と述べた。

アナリストは統計について、迅速なワクチン接種を受けジョンソン首相が1月に表明した制限措置の緩和に向けて、労働市場が準備を整えていたことを示すと指摘。

KPMG英国のチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は「経済が完全再開に備え、経済活動が活発になる中、企業は需要増に対応するため雇用を増やしている」と述べた。一方、9月に一時帰休プログラムが終了すれば、失業率は12月までに5.9%に上昇する可能性があるとの見方も示した。

ただ、多くの企業で休業と再開が過去1年にわたり相次いだことや、英国の欧州連合(EU)離脱を背景に外国人労働者は減少しており、企業が今後、人手不足に見舞われる可能性がある。

1─3月の賃金(ボーナスを含む)は前年比4.0%上昇と、予想を下回った。昨年12月─今年2月の4.5%上昇から伸びが鈍化した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

OPEC月報、石油需要予想据え置き 年後半の世界経

ビジネス

米GM、ガソリンエンジン搭載ピックアップとSUV増

ワールド

トランプ氏「ベセント氏は次期FRB議長の選択肢」、

ビジネス

FRB、インフレ抑制へ当面の金利据え置き必要=ダラ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 5
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中