ニュース速報

ビジネス

ドル3カ月半ぶり高値、米債利回り上昇で=NY市場

2021年03月09日(火)07時42分

ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、主要通貨バスケットに対し3カ月半ぶりの高値を更新した。写真は2011年、ワルシャワで撮影(2021年 ロイター/Kacper Pempel/File Photo)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではドルが上昇し、主要通貨バスケットに対し3カ月半ぶりの高値を更新した。米経済成長やインフレ率が加速するとの期待が強まり、米債利回りが上昇する中、安全資産としてのドルへの投資妙味が強まった。

米債利回りの上昇が株価を圧迫し、ドルへの需要を押し上げるとの観測から、ドルは年初来約2.5%上昇している。

OANDAのシニアマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「債券利回り上昇継続はドルに非常にポジティブな材料」と指摘した。速いペースの米雇用回復やバイデン大統領の掲げる1兆9000億ドル規模の刺激策もドルを支援している。

レモンド米商務長官は8日、強いドルは「米国のためになる」という考えを表明した。

終盤の取引で、ドル指数は0.53%高の92.38と、昨年11月24日以来の高値となった。

ユーロ/ドルは1.19ドルを下抜け、約4カ月ぶり安値を付けた。

ドル/円は9カ月ぶり高値となる108.875円。

ドルは対ポンドでも約1カ月ぶり高値となる1.3839ドルを付けた。

新興国通貨は売られ、MSCI新興国通貨指数は0.8%下落し、3カ月ぶり安値を更新した。

週内に発表される米消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)に加え、米10年および30年債入札が注目される。

BKアセット・マネジメントの為替戦略マネジングディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は「約10年ぶりに初めてインフレ指標や米債入札が重要視されつつある」とし、指標が市場予想ほど好調とならなければ、ドルが小幅下落する可能性があるとの見方を示した。

*内容を追加しました。

ドル/円 NY終値 108.86/108.91

始値 108.57

高値 108.94

安値 108.57

ユーロ/ドル NY終値 1.1843/1.1847

始値 1.1866

高値 1.1887

安値 1.1845

(表はリフィニティブデータに基づいています)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ブラックロック、AI投資で米長期国債に弱気 日本国

ビジネス

OECD、今年の主要国成長見通し上方修正 AI投資

ビジネス

ユーロ圏消費者物価、11月は前年比+2.2%加速 

ワールド

インドのロシア産石油輸入、減少は短期間にとどまる可
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 3
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 4
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カ…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止…
  • 8
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 9
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中