ニュース速報

ビジネス

中国、今年の成長率目標設定を見送る可能性 債務を懸念=関係筋

2021年01月28日(木)20時12分

 関係筋によると、中国は、今年の経済成長率目標を設定しない可能性がある。写真は北京で建設中のタワーマンション。15日撮影(2021年 ロイター/Tingshu Wang)

[北京 28日 ロイター] - 関係筋によると、中国は、今年の経済成長率目標を設定しない可能性がある。成長率目標を設定すると、地方政府の債務拡大を助長することになると懸念しているためだという。成長率目標の設定が今年も見送られれば、2年連続となる。

中国経済は、新型コロナウイルス流行の影響で昨年は前半こそ低迷したが、通年では2.3%成長を確保。ロイターがまとめたエコノミスト調査によると、当局の積極的なコロナ対応や世界経済の回復を背景に、今年の成長率は8.4%に急回復すると予想されている。

関係筋によると、政策当局者は、具体的な成長率目標を設定すると、目標を達成するために地方政府が債務を膨らませる可能性があると懸念している。

関係筋によると、成長率目標の設定見送りを主張している政府顧問らの意見が優勢になりつつある。政策当局者は、成長率目標を設定する代わりに、雇用などに関する目標を設定することで、目指す成長率を示唆する可能性があるという。

3月上旬の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を前に、内部的な議論が続いており、結論はまだ出ていない。関係者によると、国家発展改革委員会(NDRC)は成長率目標の設定に前向きだという。

関係筋によると、中国政府は今年のインフレ率目標を3%前後に設定する見込み。昨年のインフレ率は2.5%、目標は3.5%前後だった。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=円が軟化、介入警戒続く

ビジネス

米国株式市場=横ばい、AI・貴金属関連が高い

ワールド

米航空会社、北東部の暴風雪警報で1000便超欠航

ワールド

ゼレンスキー氏は「私が承認するまで何もできない」=
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中