ニュース速報

ビジネス

米小売売上高、12月は予想外の0.7%減 コアの落ち込み目立つ

2021年01月16日(土)03時17分

米商務省が15日発表した2020年12月の小売売上高は前月比0.7%減と、落ち込みが続いた。写真はニューヨーク市で2020年8月撮影(2021年 ロイター/Andrew Kelly)

[ワシントン 15日 ロイター] - 米商務省が15日発表した2020年12月の小売売上高は前月比0.7%減と、落ち込みが続いた。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための封鎖措置が改めて導入される中、外食が減ったほか商業施設への客足が遠のいた。米経済が年末に大幅に減速したことを示した。市場予想は横ばいだった。

11月の小売売上高は当初発表の1.1%減から1.4%減へ下方改定された。

自動車・ガソリン・建設資材・外食を除くコア小売売上高は12月に1.9%減少。11月は当初発表の0.5%減から1.1%減へ下方改定された。コア売上高は国内総生産(GDP)の個人消費の構成要素と密接に連動する。

オックスフォード・エコノミクス(ニューヨーク)の米国担当シニアエコノミスト、リディア・バウサー氏は「公衆衛生状況を巡る不安やレイオフの増加、迫り来る失業給付の失効など、年末休暇の気分を台無しにする要因はいくらでもあった」と指摘した。

12月の雇用統計では、雇用者数が8カ月ぶりに減少した。1月の最初の週に失業保険申請件数が急増したことから1月も雇用が減った可能性がある。統計は第4・四半期に経済が急減速したとみるエコノミストの見方と一致する内容だ。

新型コロナの感染拡大や、企業や失業者に対する政府による支援策の承認の遅れが経済失速の要因。政府は12月末に9000億ドルの追加支援策を導入した。

バイデン次期米大統領は14日、1兆9000億ドル規模の追加支援対策案を公表した。新型コロナ対策の強化や、個人や中小企業への対応策が含まれる。追加対策や、ワクチン接種の迅速化により個人消費は21年下半期に加速するとみられる。

TSロンバード(ニューヨーク)の米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・ブリッツ氏は「バイデン氏の景気対策を巡り、議会が一段と積極的に対応することが期待される」と指摘。「経済の落ち込みを引き起こしているのはコロナであって、経済に根本的な問題があるわけではない」と述べ、コロナへの対応として景気対策を実施することが重要だと強調した。

第4・四半期GDP予想は年率で約5%増。在庫投資が主な押し上げ要因となる見込みだ。

第3・四半期GDPは33.4%増だった。第2・四半期は31.4%減と、政府が統計を開始した1947年以来の大幅な落ち込みだった。

*情報を追加します

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中