ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏総合PMI改定値、11月は45.3に大幅低下 コロナ規制で

2020年12月03日(木)23時35分

 IHSマークイットが発表した11月のユーロ圏総合PMI改定値は45.3で、10月の50.0から大幅に低下した。新型コロナウイルス対策で再導入した規制が響いた。写真はフランクフルトで10月撮影(2020年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ロンドン 3日 ロイター] - IHSマークイットが発表した11月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は45.3で、10月の50.0から大幅に低下した。新型コロナウイルス対策で再導入した規制が響いた。

景気拡大・縮小の分かれ目となる50を下回った。速報値(45.1)からは上方改定された。

IHSマークイットの首席ビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏経済は11月に再び悪化した。新型コロナ対策が強化され、企業活動は新たな規制で再び打撃を受けた」と指摘した。

サービス部門PMIは41.7で10月の46.9から低下。5月以来の低水準で、3カ月連続で50を下回った。

小売店の休業や在宅の推奨などで需要は低迷。新規ビジネス指数は45.7から40.6に落ち込んだ。

ただ、今後1年の楽観度は改善し、将来の生産指数は56.5から60.4に上昇した。

コメルツバンクのピーター・ディクソン氏は「ロックダウン(都市封鎖)に対して企業が対応した後、月後半は予想以上に改善した感覚がある。依然として悪いが想定したほどではない」と指摘。「新型コロナワクチンの実用化が近いという事実は2021年に対する楽観論の根拠になる」と述べた。

一方、パンテオン・マクロエコノミクスのサミュエル・トゥームズ氏は「先月のロックダウン第2弾で閉鎖を余儀なくされた多くの企業は収益がほぼゼロまで落ち込んだようだ。PMIは企業活動の拡大・縮小のみを反映し、その規模は示されない。そのため、これまでの国内総生産(GDP)との関係に基づけば、ロックダウンによる被害を過小評価しかねない」とした。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

南ア、白人を人種差別と主張する米政権の圧力に屈せず

ワールド

台湾行政院長、高市氏に謝意 発言に「心動かされた」

ワールド

ロイターネクスト:シリア経済、難民帰還で世銀予測上

ワールド

アングル:日銀利上げ容認へ傾いた政権、背景に高市首
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させられる「イスラエルの良心」と「世界で最も倫理的な軍隊」への憂い
  • 3
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 6
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 7
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 8
    「ロシアは欧州との戦いに備えている」――プーチン発…
  • 9
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 10
    【トランプ和平案】プーチンに「免罪符」、ウクライ…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 4
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 7
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 8
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 9
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 10
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中