ニュース速報

ビジネス

米ADP民間雇用、11月は予想下回る30.7万人増 感染拡大が重し

2020年12月03日(木)00時46分

企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが2日発表した11月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが30万7000人と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の41万人を下回った。写真はケンタッキー州の職業指導センターに並ぶ人々。6月18日撮影(2020年 ロイター/Bryan Woolston)

[ワシントン 2日 ロイター] - 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが2日発表した11月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが30万7000人と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の41万人を下回った。

全米で新型コロナウイルス感染者数が急増し、感染抑制に向けた制限措置が実施される中、経済活動が失速している兆候が改めて示された。

10月分は40万4000人と、当初の36万5000人から上方修正された。

11月は部門別では、レジャー・接客業が9万5000人増加。建設業は2万2000人、製造業は8000人、それぞれ増加した。金融業、専門職、教育・ヘルスケア業も増加。ただ情報技術(IT)業では増加しなかった。

企業の規模別では従業員数1─19人の企業が6万人増加。増加分の多くがレジャー・接客業のものだった。

感染拡大に歯止めがかからない中、米当局は各地で新たな抑制策を導入。感染拡大第1波に見舞われた3月の措置ほどは厳しくないものの、労働市場に対する大きな重しとなっており、今回のADP雇用統計で雇用増のペース鈍化が改めて確認されたことで、議会に対し追加経済対策を策定する圧力が高まると予想される。

JPモルガン(ニューヨーク)のエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「11月は雇用増が継続したものの、増加ペースは鈍化したことが今回のADP雇用統計でも確認された」と指摘。MUFG(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「全国的に感染が急速に拡大していることで就業が難しくなっている。議会が年内に追加経済対策で合意できなければ、米景気回復は頓挫する」と警告した。

労働省は4日に11月の雇用統計を発表。ロイターがまとめたエコノミスト調査では、民間の非農業部門雇用者数が58万7000人増加したとの予想が示された。10月は90万6000人増加していた。

*情報を追加します

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州司法裁、同性婚の域内承認命じる ポーランドを批

ワールド

存立危機事態巡る高市首相発言、従来の政府見解維持=

ビジネス

ECBの政策「良好な状態」=オランダ・アイルランド

ビジネス

米個人所得、年末商戦前にインフレが伸びを圧迫=調査
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 6
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中