ニュース速報

ビジネス

5月の中国製造業PMI50.6に低下、需要低迷で回復ペース鈍い

2020年06月01日(月)07時29分

 5月31日、中国国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6と、前月の50.8から低下し、生産活動の回復の鈍さを浮き彫りにした。浙江省の工場で先月17日撮影(2020年 ロイター/China Daily via REUTERS)

[北京 31日 ロイター] - 中国国家統計局が31日に発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.6と、前月の50.8から低下し、生産活動の回復の鈍さを浮き彫りにした。一方、サービス業と建設業は新型コロナウイルスを受けた制限措置から急速に立ち直りつつあり、中国経済の回復がまだら模様であることを示した。

5月の製造業PMIは景況拡大と悪化の分かれ目である50を上回った。ロイターがまとめたアナリスト予想は51だった。

新型コロナの感染拡大が世界的に需要を落ち込ませるなか、5月の輸出受注指数は5カ月連続で低下。35.3と、節目の50を大きく下回った。

中国物流・購買連合会のアナリストZhang Liqun氏は、「需要に関する指標の絶対的な水準は、生産関連の指標に比べてはるかに低い。需要の大きな落ち込が生産に影響していることが分かる」と指摘。5割以上の企業が需要不足を報告している、と付け加えた。

工場が操業再開後に従業員を削減したことで、5月の雇用指数は49.4と、前月の50.2から低下した。

一方、明るい兆しもみられ、4月に50.2だった新規受注の見通しは50.9に改善。内需がまもなく盛り返す可能性を示した。

「短期的には金融政策が信用の「規模」を拡大し続け、成長を安定させ、金融を支えることが期待できる。中国の内需は盛り返すとみられる」と、中国国際金融(CICC)のアナリストらはリポートの中で指摘した。

企業の大半は活動を再開したものの、都市の封鎖措置で世界が景気後退に向かう中、中国の製造業の多くは海外からの受注減少やキャンセルに苦しんでいる。中国国内も、失業者の増加と感染第2波への警戒から需要が落ち込んだままだ。

国家統計局のZhao Qinghe氏によると、8割以上の工場が操業レベルを新型コロナ前の80%まで回復させている。しかし、世界的に需要が縮小するなかで、輸出入の指数が記録的な低水準にあるという。

巨額の支出、とりわけインフラ整備によって、年後半から2021年にかけて経済活動の順調な回復が期待されている。建設活動の状況を示す指数は、4月の59.7から5月は60.8に上昇した。建設の新規受注指数は4月の53.2から58に伸長した。

5月の非製造業PMIは53.6と、4月の53.2から改善。サービス分野の活動と消費者信頼感がゆっくりと回復しつつあることを示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

チェイニー元米副大統領が死去、84歳 イラク侵攻主

ビジネス

リーブス英財務相、広範な増税示唆 緊縮財政は回避へ

ワールド

プーチン氏、レアアース採掘計画と中朝国境の物流施設

ビジネス

英BP、第3四半期の利益が予想を上回る 潤滑油部門
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつかない現象を軍も警戒
  • 4
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 5
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中