ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、7日物リバースレポ金利を20bp引き下げ 過去5年で最大幅

2020年03月30日(月)15時02分

 3月30日、中国人民銀行(中央銀行)は、7日物リバースレポ金利 を2.20%に設定し、前回(2.40%)から20ベーシスポイント引き下げた。写真は北京で2月撮影(2020年 ロイター/JASON LEE)

[上海 30日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は30日、7日物リバースレポ金利 を2.20%に設定し、前回(2.40%)から20ベーシスポイント引き下げた。引き下げは昨年11月以来、3回目で、引き下げ幅は過去5年近くで最大だった。

人民銀は、引き下げの理由を明らかにしていない。

馬駿・人民銀金融政策委員は、中国には金融政策の調整余地がかなりあるとの認識を示した上で、リバースレポ金利引き下げのタイミングは、国内企業の操業再開や世界的な新型コロナウイルスの感染拡大状況、対外的な経済状況の悪化を考慮して決定したとした。[nT9N28N02M]

キャピタル・エコノミクスは顧客向けノートで「新型コロナウイルス危機以前のトレンドに経済を復帰させるには、一段の緩和、特に財政の面での緩和が必要になるだろう」と述べた。

方正証券のチーフエコノミスト、Yan Se氏は、リバースレポ金利の引き下げは、前週の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で中国が示した新型コロナ危機への対応、金融市場の安定化に向けた方針に沿うものだと指摘。量的緩和や大幅な利下げといった措置が各国で打ち出されていることを挙げ「中国は主要国のなかで唯一大規模な緩和措置を実施していない」と述べた。

人民銀はこの日、30日ぶりにリバースレポも実施し、500億元(70億米ドル)を供給した。

中国国債10年物先物は当初、リバースレポ金利の引き下げを好感し、0.23%上昇したが押し戻され0.1%安となっている。

ANZ(上海)の市場エコノミスト、Xing Zhaopeng氏は、27日に中国共産党中央政治局の会議があったことを指摘。

共産党中央政治局は27日、今年の経済成長率や社会発展の目標達成に向け、政府が政策措置を強化し、執行を厳格化していくと表明した。

ANZのZhaopeng氏は、今月、中期貸出ファシリティ(MLF)金利と最優遇貸出金利(LPR)が同程度引き下げられるとみている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用、11月予想上回る+6.4万人 失業率は4年

ワールド

ハセット氏、FRBの独立性強調 「大統領に近い」批

ビジネス

米企業在庫9月は0.2%増、予想を小幅上回る

ワールド

米財務長官、FRB議長候補2氏を高評価 「オープン
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「日本中が人手不足」のウソ...産業界が人口減少を乗…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中