ニュース速報

ビジネス

米フォードとGM、手元資金確保へコスト削減策発表

2020年03月27日(金)09時46分

米自動車大手のフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)は26日、新型コロナウイルスの影響で経済が打撃を受ける中、手元流動性確保に向けた対策を発表した。写真は2018年9月、ミシガン州ディアボーンで撮影(2020年 ロイター/Rebecca Cook)

[デトロイト 26日 ロイター] - 米自動車大手のフォード・モーターとゼネラル・モーターズ(GM)は26日、新型コロナウイルスの影響で経済が打撃を受ける中、手元流動性確保に向けた対策を発表した。

フォードは一段のコスト削減を実施するとともに、利益率の高いモデルについて来月の生産再開を目指す。GMは北米工場の操業停止を無期限で延長する計画で、従業員と幹部の給与削減や一部の生産計画停止も実施する。

GMの最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)は従業員向け社内ビデオで、同社の長期的な存続には「厳しい措置」が必要になると警告した。

フォードは新型ウイルスの感染拡大を受け操業を停止している北米の一部工場を4月6日にも再開し、売れ行きが好調なフルサイズピックアップトラック「F─150」のほか、SUV(スポーツ用多目的車)などを製造する。これらを製造する工場はミシガン州、ケンタッキー州のほかメキシコにある。

フォードはまた、約300人の幹部の給与を5月1日から少なくとも5カ月間にわたり20─50%削減する。執行会長は全額受け取らず、ジム・ハケットCEOは50%削減する。

従業員には医療保険制度の適用を続け、感染が確認され隔離措置を受ける従業員は有給扱いとする。

フォードは新型ウイルスによる危機的な状況の中でのレイオフ実施を避けることを目標としているが、予想を超える深刻な影響を受けた場合は方針を変えざるを得なくなる恐れがあるとした。

ハケットCEOは26日朝に送付した社員宛ての電子メールで「大規模で幅広い措置を打ち出した。新型ウイルスの感染拡大による影響をフォードが乗り切るために十分な財務上の柔軟性が得られることを望んでいる」と語った。

GMはこれまでに北米工場の操業を3月30日まで停止するとしていたが、無期限で延長。週ベースで状況を見極めるとした。

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)も3月30日までの北米工場の操業停止を発表していたが、4月13日まで延長した。

GMはコスト削減とレイオフ回避に向け、4月1日から従業員の給与を20%、幹部は25%、上級幹部は30%削減する。削減分は2021年3月15日までに一括で支払うとした。医療費給付制度に影響はないという。

このほか、ホンダ<7267.T>はこの日、米国とカナダの工場の操業停止を4月6日まで延長すると明らかにした。その後は再開するとしている。操業停止の期限は従来は3月30日だった。[nL4N2BB4D1]

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、大きな衝撃なければ近く利下げ 物価予想通り

ワールド

プーチン氏がイラン大統領と電話会談、全ての当事者に

ビジネス

英利下げ視野も時期は明言できず=中銀次期副総裁

ビジネス

モルガンS、第1四半期利益が予想上回る 投資銀行業
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 2

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア黒海艦隊「主力不在」の実態

  • 3

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 4

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 5

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 6

    【地図】【戦況解説】ウクライナ防衛の背骨を成し、…

  • 7

    訪中のショルツ独首相が語った「中国車への注文」

  • 8

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 9

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 10

    「アイアンドーム」では足りなかった。イスラエルの…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 7

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    猫がニシキヘビに「食べられかけている」悪夢の光景.…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中