ニュース速報

ビジネス

ECB、より明確な物価目標が必要=アイルランド中銀総裁

2020年02月27日(木)02時40分

欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのマクルーフ・アイルランド中銀総裁は26日、一般との意思疎通改善に向け、ECBはより明確でシンプルなインフレ目標が必要かもしれないと述べた。フランクフルトで1月撮影(2020年 ロイター/RALPH ORLOWSKI)

[ベルリン 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのマクルーフ・アイルランド中銀総裁は26日、一般との意思疎通改善に向け、ECBはより明確でシンプルなインフレ目標が必要かもしれないと述べた。

ECBは現在、インフレ目標を含む政策枠組みの包括的な見直しを行っている。現行目標は2%に近いがこれを下回る水準と設定しているが、一部からは曖昧で混乱を招くと指摘されている。

マクルーフ総裁は「中銀はより良い意思疎通や説明を行う必要がある」と主張。2%に近いがこれを下回るという表現が正確に何を意味するのかについて「引き続き不確実性が存在するようだ」とし、「中銀がピンポイントの目標を定期的に達成する可能性が低いため、そのような目標は一般への政策説明を難しくする。目標値の有無に関わらず目標レンジを示すことがより現実的である可能性があり、結果的に中銀の信頼性増大につながる」と述べた。

また別の問題として、ECBが超低インフレに対応する一方、一般では物価が急上昇しているとの認識が広がっていることがある。消費者物価指数(CPI)に占める住宅費の割合が低く、住宅費の急上昇が公式データにほとんど反映されていないことが一因とみられている。

総裁は「現行のCPIが、たとえ政策当局者や情報に通じたオブザーバーにとっての完全で合理的なツールであるとしても、中銀目標の伝達手段として最も効果的であるかどうかを検討しなければならない」と語った。

新型コロナウイルスの感染拡大に関しては、成長に対するリスクだとしても、ECBが政策で対応する必要があるかどうかを評価するのは時期尚早との認識を示した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ・メディア、第3四半期は損失拡大 SNS頼

ワールド

米航空便の欠航・遅延が悪化、運輸長官は感謝祭前の運

ビジネス

景気動向一致指数9月は1.8ポイント上昇、3カ月ぶ

ビジネス

日清食品HD、通期業績予想を下方修正 国内の原材料
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 2
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 9
    「爆発の瞬間、炎の中に消えた」...UPS機墜落映像が…
  • 10
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中