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ECB、より明確な物価目標が必要=アイルランド中銀総裁
欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのマクルーフ・アイルランド中銀総裁は26日、一般との意思疎通改善に向け、ECBはより明確でシンプルなインフレ目標が必要かもしれないと述べた。フランクフルトで1月撮影(2020年 ロイター/RALPH ORLOWSKI)
[ベルリン 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのマクルーフ・アイルランド中銀総裁は26日、一般との意思疎通改善に向け、ECBはより明確でシンプルなインフレ目標が必要かもしれないと述べた。
ECBは現在、インフレ目標を含む政策枠組みの包括的な見直しを行っている。現行目標は2%に近いがこれを下回る水準と設定しているが、一部からは曖昧で混乱を招くと指摘されている。
マクルーフ総裁は「中銀はより良い意思疎通や説明を行う必要がある」と主張。2%に近いがこれを下回るという表現が正確に何を意味するのかについて「引き続き不確実性が存在するようだ」とし、「中銀がピンポイントの目標を定期的に達成する可能性が低いため、そのような目標は一般への政策説明を難しくする。目標値の有無に関わらず目標レンジを示すことがより現実的である可能性があり、結果的に中銀の信頼性増大につながる」と述べた。
また別の問題として、ECBが超低インフレに対応する一方、一般では物価が急上昇しているとの認識が広がっていることがある。消費者物価指数(CPI)に占める住宅費の割合が低く、住宅費の急上昇が公式データにほとんど反映されていないことが一因とみられている。
総裁は「現行のCPIが、たとえ政策当局者や情報に通じたオブザーバーにとっての完全で合理的なツールであるとしても、中銀目標の伝達手段として最も効果的であるかどうかを検討しなければならない」と語った。
新型コロナウイルスの感染拡大に関しては、成長に対するリスクだとしても、ECBが政策で対応する必要があるかどうかを評価するのは時期尚早との認識を示した。