ニュース速報

ビジネス

スバル、新型肺炎拡大で部品供給に影響も 慎重に調査中=専務

2020年02月05日(水)18時07分

 2月5日、SUBARU(スバル)の岡田稔明・取締役専務執行役員兼最高財務責任者(CFO)はの2019年4—12月期決算会見で、新型コロナウイルス感染の影響は現時点では「出ていない」と述べた。写真は都内で昨年10月撮影(2020年 ロイター/Soe Zeya Tun)

[東京 5日 ロイター] - SUBARU(スバル)<7270.T>の岡田稔明・取締役専務執行役員兼最高財務責任者(CFO)は5日の2019年4—12月期決算会見で、新型コロナウイルス感染の影響は現時点では「出ていない」と述べた。ただ部品メーカー(サプライヤー)の一部は中国に工場や取引先を持つことから、部品供給で今後は「ある程度の影響が出てくる可能性がある」として慎重に調査していると明らかにした。

スバル自体は中国に工場を持っておらず、1次取引先のサプライヤーに中国の企業はないが、岡田CFOは、1次取引先の中には「中国工場から部品を納入してもらっている企業がかなり数多くある」と説明。さらに、その2次・3次取引先になると「中国内にサプライチェーン(部品供給網)があるところもある」と懸念を示した。

スバルは現在、部品供給や生産への影響を「慎重に調査している」段階。岡田CFOは「当面見えている範囲では、いつからいつまで生産に影響が出るということは考えてない」と述べ、自社工場での生産を続ける意向を示した。

ただし、現地では感染拡大を防ぐため、交通インフラの閉鎖や工場操業停止が続いていることから、「これから先、やはりある程度の影響が出てくる可能性はあると思う」とも話し、さらなる感染拡大を視野に、中国以外の地域からの代替調達を検討するとした。

<通期売上高を上方修正、想定為替レートを円安に見直し>

スバルは同日、2020年3月期(国際会計基準)の連結売上高予想を3兆3600億円に上方修正すると発表した。従来予想は3兆3100億円だった。想定為替レート見直しと販売奨励金抑制などによる改善を見込んだ。営業、当期利益は従来予想を据え置いた。営業利益は前年比21.1%増の2200億円となる見通し。

リフィニティブが集計したアナリスト19人による通期営業利益の予想平均値は2550億円。

今期想定為替レートは1ドル=109円(従来107円)、1ユーロ=122円(従来119円)に見直した。

今期の世界販売計画は104万1300台に下方修正した。従来は105万8300台。受注は堅調だが、台風19号の影響などで生産ペースを落とし、新車供給が遅れたため、国内販売を約1万台引き下げた。

同時に発表した19年4—12月期決算は、営業利益は前年同期比1.9%減の1527億円だった。為替影響やリコール(回収・無償修理)費用などが利益を押し下げた。台風や消費増税などの影響により、国内販売は9.1%減少した。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

独鉱工業受注、7月は-2.9% 大口受注減で予想外

ワールド

対日関税で米大統領令、自動車2週間以内に15%に 

ビジネス

午後3時のドルは148円前半へ下落、米雇用統計待ち

ビジネス

対日関税で米大統領令、自動車2週間以内に15%に 
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 7
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 8
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 10
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中