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中国人民銀、TMLF金利を据え置き 金融緩和のペース鈍化も
1月23日、中国人民銀行(中央銀行)は、1年物の標的型中期貸出制度(TMLF)を通じて一部の商業銀行に2405億元(348億3000万ドル)を供給した。写真は北京で2016年3月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
[上海 23日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は23日、1年物の標的型中期貸出制度(TMLF)を通じて一部の商業銀行に2405億元(348億3000万ドル)を供給した。金利は市場の引き下げ予想に反し、据え置いた。
人民銀は昨年11月に従来型のMLFの金利を引き下げているため、TMLF金利も下げると見込まれていた。1年物TMLF金利は3.15%に据え置かれた。
この日の供給額は、同日に満期を迎えるTMLF融資2575億元を下回った。差し引きで170億元の資金吸収となった。
TMLFの償還年限は1年だが、借り換えによりさらに2年、年限を伸ばすことが可能。
<金融緩和のペース鈍化も>
市場では、中国経済の回復の兆しや「第1段階」の米中通商合意を受けて、人民銀行が今年どの程度まで追加緩和を実施するかに関心が集まっている。
人民銀行は金利を据え置いた理由を明らかにしていない。
方正証券のチーフエコノミスト、Yan Se氏は「供給額は、昨年TMLF融資を受けた金融機関の実際の資金ニーズを反映している」と指摘。「TMLFは徐々に規模が減りつつある。金利は据え置かれたが、今後の流動性オペへの影響はないだろう」との見方を示した。
DBSは、外部環境の緊張緩和で短期的に金融緩和のペースが鈍るのではないかと指摘。
ウエストパックのマクロ戦略トップ、Frances Cheung氏は「今回の金利据え置きは、MLF金利とのスプレッドが縮小したことを意味する。人民銀行はTMLFの利用を縮小したいのではないか。ローンプライムレート(LPR)とMLFが、融資金利を誘導するツールになるはずだ」と述べた。
1年物のMLF金利とTMLF金利のスプレッド
*内容を追加しました。