ニュース速報

ビジネス

中国人民銀、TMLF金利を据え置き 金融緩和のペース鈍化も

2020年01月23日(木)13時40分

 1月23日、中国人民銀行(中央銀行)は、1年物の標的型中期貸出制度(TMLF)を通じて一部の商業銀行に2405億元(348億3000万ドル)を供給した。写真は北京で2016年3月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[上海 23日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は23日、1年物の標的型中期貸出制度(TMLF)を通じて一部の商業銀行に2405億元(348億3000万ドル)を供給した。金利は市場の引き下げ予想に反し、据え置いた。

人民銀は昨年11月に従来型のMLFの金利を引き下げているため、TMLF金利も下げると見込まれていた。1年物TMLF金利は3.15%に据え置かれた。

この日の供給額は、同日に満期を迎えるTMLF融資2575億元を下回った。差し引きで170億元の資金吸収となった。

TMLFの償還年限は1年だが、借り換えによりさらに2年、年限を伸ばすことが可能。

<金融緩和のペース鈍化も>

市場では、中国経済の回復の兆しや「第1段階」の米中通商合意を受けて、人民銀行が今年どの程度まで追加緩和を実施するかに関心が集まっている。

人民銀行は金利を据え置いた理由を明らかにしていない。

方正証券のチーフエコノミスト、Yan Se氏は「供給額は、昨年TMLF融資を受けた金融機関の実際の資金ニーズを反映している」と指摘。「TMLFは徐々に規模が減りつつある。金利は据え置かれたが、今後の流動性オペへの影響はないだろう」との見方を示した。

DBSは、外部環境の緊張緩和で短期的に金融緩和のペースが鈍るのではないかと指摘。

ウエストパックのマクロ戦略トップ、Frances Cheung氏は「今回の金利据え置きは、MLF金利とのスプレッドが縮小したことを意味する。人民銀行はTMLFの利用を縮小したいのではないか。ローンプライムレート(LPR)とMLFが、融資金利を誘導するツールになるはずだ」と述べた。

1年物のMLF金利とTMLF金利のスプレッド は15bpから10bpに縮小した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:日銀「地ならし」で国債市場不安定化、入札

ワールド

EXCLUSIVE-中国のレアアース輸出、新規ライ

ビジネス

野村HD、成長フェーズ入りに手応え 2030年目標

ビジネス

英中銀、銀行の自己資本比率要件を1%引き下げ 経済
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 3
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カニの漁獲量」が多い県は?
  • 4
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中