ニュース速報

ビジネス

ロシア中銀、金利6.25%に25bp引き下げ 追加利下げ差し迫らず

2019年12月14日(土)02時17分

12月13日、ロシア中央銀行は政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ6.25%とした。インフレ鈍化を反映したもので、中銀は来年上半期中の追加利下げの可能性はあるものの、差し迫ったものではないとの見解を示した。写真は同日、モスクワで記者会見するロシア中銀のナビウリナ総裁(2019年 ロイター/Shamil Zhumatov)

[モスクワ 13日 ロイター] - ロシア中央銀行は13日、政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ6.25%とした。インフレ鈍化を反映したもので、中銀は来年上半期中の追加利下げの可能性はあるものの、差し迫ったものではないとの見解を示した。

利下げは今年5回目で、合計の利下げ幅は150bpとなった。ロイターが今月に入ってから実施した調査では今回は25bpの利下げが予想されていた。

ナビウリナ総裁は記者会見で「追加利下げの必要があるか2020年上半期に検討する」とし、「利下げ余地はなお存在するとみているが、来年2月の次回会合、およびその後の会合で、それまでに入手される情報すべてを勘案し、利下げの正当性、および適時性について再度協議する」と述べた。

次回会合は2月7日。ナビウリナ総裁は「われわれが示した見解は2月、もしくは上半期中に必ずしも利下げが実施されることを示しているわけではない」と指摘。中銀の分析でインフレ率を目標の4%に戻すために利下げが必要と判断された場合のみ、追加利下げが可能になると述べた。

前回の会合で50bpの利下げを決定した際、中銀は声明で今後の会合のうち1回で利下げの必要性を検討すると表明していたが、今回の声明ではこの文言は削除された。

中銀は年末時点のインフレ率は2.9─3.2%になると予想。来年第1・四半期に3%を下回り、底を打つとの見方を示している。ナビウリナ総裁は「来年下半期にはインフレ率は4%近辺に戻る」との予想を示した。

中銀は中立金利は6─7%にあるとみており、今回の利下げで政策金利はレンジ下限に一段と近づいた。

ノルデア銀行(モスクワ)の首席エコノミスト、タチアナ・エフドキモワ氏は、利下げペースは今後は減速していく公算が大きいと予想。ロシアン・ダイレクト・インベストメントファンドの首席エコノミスト、ドミートリー・ポレボイ氏は「中銀は行動を起こしてから様子見姿勢取り、その後に再度行動を起こすとモードにシフトしている」とし、「国内外で不確実性が高まっているため、中銀が来年、政策金利を6%を下回る水準に引き下げる用意ができているか、現時点では分からない」と述べた。

ロシア通貨ルーブルは一時対ドルで62.20ルブールと、2018年7月以来の高値を付けた。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ベネズエラ石油「封鎖」に当面注力 地上攻撃の可

ワールド

英仏日など、イスラエル非難の共同声明 新規入植地計

ビジネス

ロ、エクソンの「サハリン1」権益売却期限を1年延長

ビジネス

NY外為市場=円が小幅上昇、介入に警戒感
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中