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金融緩和、デフレ脱却へマネー供給が狙い=若田部日銀副総裁
4月16日、日銀の若田部昌澄副総裁は午後の参議院決算委員会で、日銀の金融政策運営はイールドカーブをフラット化させることが狙いではないとし、デフレ脱却に向けてマネーを供給すべきとの観点から行っていると語った。写真は3月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)
[東京 16日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は16日午後の参議院決算委員会で、日銀の金融政策運営はイールドカーブをフラット化させることが狙いではないとし、デフレ脱却に向けてマネーを供給すべきとの観点から行っていると語った。藤巻健史委員(維新)への答弁。
若田部副総裁は、国債市場における現在のイールドカーブが「フラット化しているのは事実」としながら、「日銀の金融政策はフラット化させるために行っているわけではない」とし、「デフレを脱却するためには経済にマネーを供給すべきとの観点から行っている」と語った。
そのうえで、現行のイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は「イールドカーブを立てた方がいいとの問題意識から始まっているのは事実」と述べ、足元のフラット化は「中長期にわたるインフレ予想がまだ根付いていない」ことが背景と指摘。日銀として「現在の政策を粘り強く続けることでインフレ予想を上げ、フラット化したイールドカーブが立っていくことを目標としている」と語った。
もっとも、そうした中で日銀が先に金利目標を上げてしまうと、「不況に逆戻りし、イールドカーブはフラットになってしまう。そのあたりを見極めて政策を行っている」と説明した。
また、将来的に金融緩和策を縮小する出口戦略について、各種の資金吸収オペレーションや当座預金の付利の引き上げ、所要準備率の引き上げなどの手段を持っており、「仮にインフレ率が急速に高まることがあっても、十分に対応が可能だ」との認識を示した。
(伊藤純夫)