ニュース速報

ビジネス

米国株式市場は続落、原油安と世界経済懸念が重し

2016年06月11日(土)08時05分

 6月10日、米国株式市場は2日続落で取引を終えた。写真はニューヨーク証券取引所で10日撮影(2016年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 米国株式市場は2日続落で取引を終えた。原油が一段安となったことに加え、世界経済への懸念再燃で市場心理が悪化した。 週間ベースでは、S&Pが約0.1%、ナスダックが約1.0%それぞれ値下がりした。一方、ダウは約0.3%高だった。

欧州連合(EU)離脱を巡る英国民投票が23日に迫る中、10日に発表された世論調査で離脱(ブレグジット)派が残留派を大きく上回った。

サーハン・キャピタルのアダム・サーハン最高経営責任者(CEO)は「世界経済は弱含んでおり、大きな衝撃に耐えることはできないだろう。ブレグジットが起きれば、それは大きな衝撃となる」と話している。

10日は米国の原油価格が約3%値下がりし、1バレル=50ドルを下回った。S&Pエネルギー株指数<.SPNY>は約2%の低下となった。

世界的に株が売られ、米国債や日本円などリスクが少ないとされる資産が買われた。国債利回りは世界的に低下。S&P金融株指数は<.SPSY>は約1.2%安だった。

米資産運用会社ダブルライン・キャピタルのCEOジェフリー・ガンドラック氏は中国の成長が鈍化し、米大統領選の本番が近づく中、経済成長期待は切り下がっており、投資家はリスクの高い資産を手放していると話す。

株式の投資家の一部は、年明けの相場乱高下が再び起きるだろう見込む。S&Pは2月の安値から約13.3%反発しているが、それを支えた1次産品価格の持ち直しは勢いを失いつつある。

投資家の不安心理の度合いを示すとされるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ・インデックス(VIX指数)<.VIX>は10日、16.33%上昇した。

こうした中、半導体大手インテルは0.3%高となった。アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)の一部について、クアルコムに代わって受注を獲得したとする報道が材料視された。クアルコムは2.1%安となった。

米取引所の合算出来高は約68億株で、直近20営業日の平均と同等だった。

ニューヨーク証券取引所では4.24対1で値下がり銘柄の数が値上がり銘柄を上回った。ナスダックは3.75対1で下げ優勢だった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 17865.34 -119.85 -0.67 17938.82 17938.82 17812.34 <.DJI>

前営業日終値 17985.19

ナスダック総合 4894.55 -64.07 -1.29 4915.15 4917.92 4880.61 <.IXIC>

前営業日終値 4958.62

S&P総合500種 2096.07 -19.41 -0.92 2109.57 2109.57 2089.96 <.SPX>

前営業日終値 2115.48

ダウ輸送株20種 7764.85 -117.38 -1.49 <.DJT>

ダウ公共株15種 680.62 -1.11 -0.16 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 699.04 -11.88 -1.67 <.SOX>

VIX指数 17.03 +2.39 +16.33 <.VIX>

S&P一般消費財 621.97 -6.49 -1.03 <.SPLRCD>

S&P素材 299.21 -2.07 -0.69 <.SPLRCM>

S&P工業 488.45 -4.96 -1.00 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 552.86 +0.52 +0.09 <.SPLRCS>

S&P金融 311.39 -3.90 -1.24 <.SPSY>

S&Pエネルギー 501.15 -10.15 -1.99 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 827.01 -7.57 -0.91 <.SPXHC>

S&P電気通信サービス 171.84 +1.43 +0.84 <.SPLRCL>

S&P情報技術 725.36 -7.77 -1.06 <.SPLRCT>

S&P公益事業 255.09 -0.71 -0.28 <.SPLRCU>

NYSE出来高 8.78億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 16380 - 150 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物9月限 円建て 16290 - 240 大阪比 <0#NIY:>

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB、「中立金利」到達まで0.5%幅の利下げ必要

ワールド

米国版の半導体の集積拠点、台湾が「協力分野」で構想

ワールド

アフガン北部でM6.3の地震、20人死亡・数百人負

ワールド

米国防長官が板門店訪問、米韓同盟の強さ象徴と韓国国
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 5
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 6
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に…
  • 7
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 10
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中