ニュース速報

ビジネス

行儀悪い売り方やめた、「白物家電の二の舞い」懸念=スズキ会長

2016年05月10日(火)19時03分

 5月10日、スズキの鈴木修会長は決算会見で、シェア重視だった前期の軽自動車市場について「白物家電の二の舞いになるのではないかといった現実を見た」と振り返り、今期は「お行儀の悪い売り方をやめ、シェア争いよりも1台1台を大切に売っていく」と語った。写真は都内で昨年8月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

[東京 10日 ロイター] - スズキ<7269.T>の鈴木修会長は10日に開いた決算会見で、シェア争いが激化した2016年3月期の軽自動車市場について「(コモディティ化した)白物家電の二の舞いになるのではないかといった現実を見た」と振り返り、昨年10月以降、「お行儀の悪い売り方をやめた」と説明した。

17年3月期は、シェア重視から「1台1台を大切に売っていく考え方に大幅に方向転換する」と明言した。

スズキは17年3月期の軽自動車販売を55万台計画。鈴木会長は、軽自動車の全体需要を消費増税前の駆け込みの影響を含まず160万―180万台と予想し、同社の目標台数が「(全体需要の最大)180万台のうち(シェア)30%を確保する」ために掲げた数字と説明した。

軽自動車業界では、2014年にシェア争いが過熱し、スズキとダイハツが激しい販売合戦を繰り広げ、買い手のいない新車をディーラーなどの名義で一度登録して販売台数をかさ上げする「自社登録」が進んだ。新車ながら中古車扱いになり安売りされる「新古車」が増え、結果的に各社の収益悪化を招いた。

<三菱自の不正問題「そんなに影響ない」>

鈴木会長はまた、三菱自動車<7211.T>による燃費不正問題が軽自動車市場に与える影響については「そんなにないと思う。顧客は優れた能力を持っており、賢い選択をする」との見解を示した。

三菱自の不正問題を受けて、国土交通省は自動車メーカー各社に燃費試験用データに関する調査を指示している。鈴木会長は「現時点で順調に再確認が進んでいる」と述べた。各社は5月18日までに同省へ報告することになっている。

*内容を追加しました。

(白木真紀 編集:宮崎大)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国製品への80%関税は「正しい」、市場開放すべき

ワールド

ロシアで対独戦勝記念式典、プーチン氏は連合国の貢献

ワールド

韓国地裁、保守系候補一本化に向けた党大会の開催認め

ビジネス

米労働市場は安定、最大雇用に近い=クーグラーFRB
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..最新技術で分かった「驚くべき姿」とは?
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 5
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノー…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 8
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 9
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 10
    韓国が「よく分からない国」になった理由...ダイナミ…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 7
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中