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金融株から輸出株へ、ドル105円視野で日本株下落セクターに変化

2016年05月02日(月)17時18分

 5月2日、日本株の下落セクターが、金融株から輸出株にシフトしてきた。日銀の追加緩和見送りによる失望から、円高による企業業績圧迫に売り材料が変わってきたためだ。写真は都内で撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 2日 ロイター] - 日本株の下落セクターが、金融株から輸出株にシフトしてきた。日銀の追加緩和見送りによる失望から、円高による企業業績圧迫に売り材料が変わってきたためだ。これまで決算発表を終えた3月期企業における想定為替レートの多くは1ドル110円。リスクオフムードが広がっているわけではないが、105円台が視界に入ってきた円高が見通しを一段と不透明にさせており、買いが入りにくくなっている。

<売られた電子部品株>

2日の東京株式市場で下げがきつかったのは電子部品株だ。市場予想を下回る今期業績見通しを発表した村田製作所<6981.T>が13%安と急落したほか、TDK<6762.T>やフォスター電機<6794.T>なども8%安、15%安と売り込まれた。

電子部品株は米アップル向け受注の失速懸念というネガティブ材料があったものの、新興国メーカーなどに対し高い競争力を有することから、完成品メーカーに比べ堅調な業績が期待されていた。しかし、ここに来ての急激な円高で、業績悪化懸念が強まっている。

「今期の想定為替レートは、1ドル=110円としているところがほとんど。足元のドル/円の水準では、どうしても輸出関連企業の業績のさらなる下振れリスクを想定せざるを得ない」と内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏は話す。

同じ主力輸出セクターの自動車株も売り込まれた。「日銀ショック」が走った28日に最も下落したのは銀行や証券など金融株だったが、連休明けの東京市場では円高による業績悪化という実態面に市場の視線が移ってきたようだ。

業種別指数では電気機器<.IELEC.T>が4.65%安、輸送用機器<.ITEQP.T>が4.57%安と、日経平均の3.11%安を超える下落率となっている。

<内需企業も円高は懸念要因>

円高は輸入企業にとってはプラス要因だが、企業業績全体で見れば、やはりネガティブに作用する。

ニッセイ基礎研究所のマクロモデルによる試算によると、1ドル105円が続いた場合、2017年3月期の経常利益に与える影響は為替要因のみでマイナス6.5%。多くの企業が想定している1ドル110円と比べて1.5%ポイント、マイナス幅が拡大する。

同研究所・経済調査室長の斎藤太郎氏は「円高が輸出企業に逆風なのはこれまで通りだが、アベノミクスでは小売りなどの内需関連も、円安によるインバウンド需要の拡大という恩恵を受けているため、円高に伴う非製造業へのマイナス影響も懸念される」との見方を示す。

2日の市場では、ドル/円が106円台で下げ止まり、日経平均も1万6000円台を維持して引けた。

しかし、日本が3連休に入れば、市場参加者が少なくなる中で、投機的な円買いが入る可能性もある。

円高の進行次第では「日経平均は2月以降の上昇分を吐き出して1万5000円程度まで下げてもおかしくはない」(UBS証券・エクイティ・ストラテジストの大川智宏氏)との予想も市場では出ている。

<105円超の円高に警戒感>

足元の大幅な円高・株安の進行は、日銀による追加緩和を思惑視して買い進んだ短期筋のアンワインドの動きとの見方もある。

日経平均が年初来安値(1万4865円77銭)を付けた2月中旬のドル/円は、111─112円台。当時と比べ足元の日経平均は1000円以上、高い位置にとどまっている。

三井住友アセットマネジメント・シニアストラテジストの市川雅浩氏は「1─2月にリスクオフが強まった状況と比べ、FRBがハト派的な姿勢を示したことで、グローバルの市場環境は少しずつ改善の方向に向かうようになっている。過剰に悲観する必要もない」と指摘する。

26日からの主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で各国による財政面での協調的な動きが出れば、景気先行き懸念が後退し、相場反転につながる可能性もある。

しかし、1ドル105円を割り込むような円高が進めば、シナリオは大きく狂いかねない。「ドルが105円を割れば、中長期の海外投資家が日本株を外す動きを強める可能性が高くなる」(大手証券トレーダー)という。

日本株は、しばらく為替にらみの展開が続きそうだ。

(長田善行、杉山容俊 編集:伊賀大記)

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