ニュース速報

たばこ大手フィリップ・モリスとアルトリア、対等合併に向け協議

2019年08月28日(水)03時03分

[27日 ロイター] - 米たばこ大手フィリップ・モリス・インターナショナルと同業アルトリア・グループが株式交換を通じた対等合併に向け協議していると発表した。

統合によって、急成長を遂げる電子たばこ市場の掌握を狙う。実現すれば約10年前に分離した両社は統合され、リフィニティブのデータによると、時価総額2000億ドルを超える新会社が誕生することになる。

しかし、両社は合意に至る保証はないとしているほか、今後両社の取締役、株主の承認が必要となる。

フィリップ・モリスは米国外市場での事業を手掛ける。同社は加熱式たばこ製品「IQOS」を開発し、今年4月には米国内での販売が米食品医薬品局(FDA)によって承認された。

一方、アルトリアは米市場の事業に注力。すでにフィリップ・モリスとIQOS販売を巡るライセンス契約を結んでいるほか、電子たばこメーカーのジュール・ラブズの株式35%を握る。

昨年のフィリップ・モリスの年間売上高は約300億ドル、アルトリアは約200億ドル。

たばこの販売が落ち込み、新たな収益源模索に向けた圧力が高まる中、両社の統合を巡る憶測は長らく飛び交っていた。

ウェルズ・ファーゴのアナリスト、ボニー・ハーゾグ氏は、両社の統合によって、キャッシュフローは改善され、IQOS・ジュールの世界的販売を追い風に、たばこ世界最大手が誕生するとの見方を示した。

コーウェンのアナリストによると、昨年のたばこ業界全体のたばこ販売は4.5%減。一方、モードー・インテリジェンスによると、電子たばこ市場は昨年約110億ドル規模に成長し、今後5年で年間8%を超える成長が見込まれる。

統合協議を巡る発表を受け、アルタトリアの株価は一時約8%上昇したものの、CNBCが両社の統合にプレミアムはないと報じたことを受け上げ幅を縮小した。フィリップ・モリスは6.8%下落。アナリストの間からは、統合の論拠を巡り懐疑的な声が上がっている。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月ロイター企業調査:26年度事業展望、25%が

ワールド

英独仏首脳がトランプ氏と電話会談、ウクライナ和平案

ビジネス

豪11月就業者数は2.13万人減、予想外のマイナス

ワールド

米政府、ルクオイル外国資産の売却期限を来年1月17
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中