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英保守党の離脱推進派、協定案破棄・合意なき離脱への準備提唱
[ロンドン 5日 ロイター] - 英与党・保守党内の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)推進派で構成する「ヨーロピアン・リサーチ・グループ(ERG)」は5日、次期首相はメイ首相がまとめた離脱協定案を破棄し、期日の10月31日までに離脱する必要があるとの見解を示した。
メイ氏は7日に保守党党首を退任。同党は来週、次期党首選出に着手する。次期党首に名乗りを挙げた11人のうち数人がメイ氏がまとめた離脱協定案の変更を提唱。ただEUは再交渉には応じない姿勢を崩していない。
ERGは「跡を濁さず、管理されたブレグジット」と題する報告書で、離脱の遅延で国民からの信頼が著しく傷つき、保守党の「存在が脅かされている」と警告。「このため、英国が2019年10月31日までにEUを離脱することが必要不可欠」とした。
ERGの副チェアマン、スティーブ・ベーカー氏は報告書の公表に当たり「離脱協定案と政治宣言はともに完全に失敗し、復活することはない。保守党の次期党首はそれを認識する必要がある」と語った。
ERGは報告書で、条件などで合意しないままEUを離脱することはERGが望む結果ではないとしながらも、 英国は合意なき離脱に備える必要があると指摘。EUと自由貿易協定(FTA)で合意するまで世界貿易機関(WTO)規則に従って貿易を行う可能性にも触れた。
また、合意がないまま離脱すれば、英国は390億ポンド(496億ドル)の離脱に伴う「清算金」の支払いを免れるとも指摘。合意なき離脱の影響への対応にこうした資金を振り向けられとの考えを示した。