ニュース速報

ノルウェー政府系ファンド、10新興国債券を削減へ 日本除外せず

2019年04月06日(土)05時23分

[オスロ 5日 ロイター] - ノルウェー財務省は5日、政府系ファンド(SWF)政府年金基金グローバルの3000億ドル規模の債券ポートフォリオ見直しで、メキシコなど10種類の新興市場国を外すよう提言した。日本やデンマーク、スウェーデン、スイス、カナダ、オーストラリア、シンガポール、ニュージーランド、香港の債券は外されなかった。

政府年金基金グローバルはSWFとしては世界最大。

基金のデータを基にロイターが試算したところ、昨年末時点の総価値が170億ドルの政府債や社債に影響するとみられる。

これらはチリ(3億6200万ドル)、チェコ(5000万ドル)、ハンガリー(6300万ドル)、イスラエル(1億1700万ドル)、マレーシア(19億ドル)、メキシコ(57億ドル)、ポーランド(10億5000万ドル)、ロシア(12億ドル)、韓国(63億ドル)、タイ(2億4100万ドル)。

財務省は「政府債の国別の配分調整と併せて、提案した変更は基金の取引コスト低下につながる」と指摘した。

ファンドマネジャーがベンチマーク指数を受動的に追うのでなく、積極的な投資を望めば、ファンドが新興市場の債券を購入することは引き続き可能だが、こうした債券は債券ポートフォリオの5%が上限となる。

政府年金基金グローバルの価値は現時点で1兆0500億ドルとされ、投資資産の約3割が債券。7割を占める株式投資は今回の方針で影響を受けない。

基金を運用するノルウェー中銀は2017年、構成通貨のうち円など20種類を外し、ドル、ユーロ、ポンドのみとするよう提言していた。

再生可能エネルギーの投資マンデートが1200億クローネ(140億ドル)相当と2倍の規模にし、風力や太陽光プラントなど非上場の再生可能インフラ事業への投資を認める。

売上高や活動の3割以上を燃料炭が占める投資企業を除外するルール強化も提案した。

基金の倫理指針を見直す委員会も設立し、基金はたばこや核兵器、クラスター兵器を製造する企業に投資できないようにする。

提言は議会の同意が必要で、6月に可決する見通しだ。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7サミット、26年は仏エビアン開催 マクロン氏発

ワールド

トランプ氏、イラン「無条件降伏」要求 最高指導者「

ワールド

習主席、中央アジア5カ国との条約に署名 貿易・エネ

ワールド

米軍、中東に戦闘機追加配備 イスラエル・イラン衝突
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 3
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火...世界遺産の火山がもたらした被害は?
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    コメ高騰の犯人はJAや買い占めではなく...日本に根…
  • 10
    ホルムズ海峡の封鎖は「自殺行為」?...イラン・イス…
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 8
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 9
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中