ニュース速報

英首相、EUに短期の離脱延期を要請へ=関係筋

2019年03月20日(水)19時02分

[ロンドン 20日 ロイター] - メイ英首相は20日、欧州連合(EU)のトゥスク大統領に書簡を送り短期のEU離脱延期を要請する。政府筋が明らかにした。

これにより、今後の選択肢には、メイ首相の離脱協定案の下での離脱、より長期の離脱延期、秩序なき離脱、2回目の国民投票が含まれることになり、離脱を巡る不透明な状況が続くとみられる。

首相官邸筋は「(首相は)長期の延期は要請しない」と言明した。

メイ首相のEU離脱協定案はこれまで2度にわたって議会で否決されたが、首相は来週にも3度目の採決を行う意向を示している。

官邸筋は、前に進む方法について合意できるよう議会にもう少し時間を与えるべきとの主張があると説明した。「ただこの国の人々は(国民投票から)3年近く待たされており、決められない議会にうんざりしている。首相も同様の不満を抱えている」と語った。

英国の政治情勢は混乱しており、メイ首相が具体的にどの程度の期間の離脱延期を求めるかは不明。

首相官邸の報道官はコメントを控えている。

メイ首相は自身の離脱協定案が議会で可決されない場合、離脱を6月30日以降に延期することを求める方針を示しており、離脱推進派の間では離脱自体が危機にさらされるのではないかとの懸念が浮上している。

ユンケル欧州委員長は独ラジオ局ドイチェラントフンクに対し「(EU離脱に関する)再交渉も新たな交渉もない。(英国に)これまで与えられた以上の追加的な保証もない」と強調し「われわれは積極的に英国に歩み寄ってきた。これ以上はできない」と述べた。

離脱期限延期を求める書簡はまだEUに届いていないとしている。

今週のEU首脳会議では英国の離脱問題が話し合われるが、ユンケル委員長は大きな進展は見込めないとの見方を示した。今週合意することはなく、来週もう一度協議する必要があるというのが現時点での印象だと述べた。

「合意なき離脱」は望ましくないが、英国は明確な提案が必要と指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ドイツ輸出、5月は予想以上の減少 米国向けが2カ月

ビジネス

旧村上ファンド系、フジ・メディアHD株を買い増し 

ワールド

赤沢再生相、米商務長官と電話協議 「自動車合意なけ

ビジネス

日経平均は反発、対日関税巡り最悪シナリオ回避で安心
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 5
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 10
    中国は台湾侵攻でロシアと連携する。習の一声でプー…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中