<ロシアに奪われた全領土を奪還できる見込みは薄い。だが今なら、ロシアの侵略の企てを挫いて「勝った」のはウクライナだと世界が知っている。西側から供与される資源は、復興に使うべきではないか

【動画・画像】ゼレンスキー「影武者」論の虚実

 

ゼレンスキーは、西側諸国からロシアとの交渉のテーブルに戻るよう求める圧力はないと否定する。ロビイストのバジディッチも、西側がウクライナに和平交渉を無理強いしている事実はないとの見方を示した。ウクライナ国民は依然としてロシアによる占領からの「完全解放」を支持していると指摘した。

国民に不人気な和平の提案はゼレンスキーの大統領としての任期を縮めるものになる可能性もあるとバジディッチはつけ加えた。

米シンクタンク「外交問題評議会」のリチャード・ハース会長とチャールズ・カプチャン上級研究員は11月にフォーリン・アフェアーズ誌に寄せた論文の中で、迫り来る冬と過ぎ去った夏の反攻に対する失望感が、「ウクライナと同盟諸国が推し進めている現在の戦略を全面的に見直す必要性」を後押ししていると指摘した。

「成功の再定義」が必要

ハースもカプチャンも本誌に対して、ウクライナはまだその段階に至っていないと述べた。「より幅広い国民的な議論をもっと早い段階で行うべきだったし、行う必要がある」とカプチャンは述べ、さらにこう続けた。「現在の政治環境では、このような議論を行うことはタブーに近い」

彼はさらに「これは危険な状況だ」と述べる。「戦争が際限なく続く場合のパターンだ。何が望ましいかだけではなく、何が可能かを考えるのも優れた戦略だ」

ハースは、領土の完全解放を断念するのではなく一時中断するように「成功を暫定的に再定義『再」補足する」ことを提案している。「より幅広い定義の成功を達成するまでに、ウクライナは何年も、あるいは何十年も待たなければならないかもしれない」と彼は説明し、こう続けた。「もしかしたらロシアでプーチンの次、あるいはさらにその次の体制が誕生するまで待たなければならないかもしれない」

領土の完全解放は「軍事バランスを考えると達成できない可能性が高い」とハースは指摘する。「これで2回の戦闘シーズンが終わった。これが3回目、4回目、5回目になればその目標が達成できると考える根拠が見当たらない」

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生き残るための「敗戦」
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