イエメンでは既に、戦闘行為の直接的な犠牲者が11万2000人を超え、連合軍とホーシー派双方の封鎖措置によって2018年までに5歳未満の子供8万5000人以上が餓死した。市場や住宅街を標的にするサウジアラビアやUAEの空爆で死亡した民間人は約1万2600人。こうした空爆作戦で多く使用されているのが、米ロッキード・マーティンが製造し、サウジアラビアに大量売却されたレーザー誘導爆弾だ。

米議会は昨年春、連合軍への支援停止を求める決議案を可決したものの、トランプは拒否権を発動した。

近隣国を敵視する軍事同盟や武器取引を促進することが「和平」であるはずがない。イエメン内戦を政治的に解決し、民主主義を回復するなら、ノーベル平和賞に値するだろう。1974年の国連総会で採択されながらも、アメリカが消極的な姿勢を見せてきた中東非大量破壊兵器地帯構想を推し進めるのであれば、なおさらだ。

ノーベル平和賞は、平和と民主主義を築き上げる人々のためのもの。暴力と戦争の商人のためのものではない。

(編集部注:10月9日、世界食糧計画〔WFP〕の同賞受賞が発表された)

<2020年10月20日号掲載>

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