Tim Reid

[ワシントン 5日 ロイター] - 米中間選挙が終わった今、民主党は2028年大統領選へと目を転じている。今回の予備選は過去数十年でも有数の、多数の候補者が争う先行き不透明な混戦となる可能性がある。ホワイトハウス奪還の戦略を巡る党内の分断があらわになりそうだ。

民主党の大統領予備選には数十人の候補者が名乗りを上げる可能性があるが、現時点で明確な本命候補はいない。対する共和党は、憲法上の規定により3選出馬が禁じられているトランプ大統領の後任として広く名前が挙がるのは、バンス副大統領やルビオ国務長官を筆頭とする比較的少数の顔ぶれだ。

現職の州知事や上院議員を含む民主党の候補者予備軍たちは何カ月もの間、資金提供者の開拓、早期指名投票州の訪問、全国的な知名度の向上に取り組んできた。中間選挙終了とともに本格化が予想される予備選レースをにらんでのことだ。

中間選挙で有権者はトランプ氏とその政策に鋭い拒絶を突き付け、民主党が圧勝した。これを受け両党内では、国の方向性に不満を抱く有権者をいかに獲得するかについての議論が激化するだろう。

民主党は大勝したものの、医療や税金から治安維持、外交政策に至る課題において、中道路線に転じるべきか、さらに左傾化すべきかを巡って党内の意見が割れたまま、大統領予備選へと進むことになる。

共和党の候補者らが直面するのは異なる課題、つまりトランプ氏の政策が拒絶された選挙結果を受け、同氏からいかに距離を置くかだ。共和党の代名詞となった「米国を再び偉大に(MAGA)」運動との断絶を避けつつも、トランプ氏の支持基盤を超えて支持を広げる必要がある。

トランプ氏は主役の座を譲りたがらない可能性がある上、MAGA支持層に対しては引き続き影響力を有している。このことが次の共和党指導者選びを複雑にするかもしれない。

<民主党、路線巡る党内対立へ>

民主党の参謀ダグ・ソスニック氏は、急進左派と穏健派の両方が自らの思想的アプローチの正当性を主張する見込みであり、2028年大統領選に向けたレースが本格化する中で党の将来を巡る激しい内部闘争が起こるのは間違いないと語る。

中間選挙で最も注目された急進左派の勝利の1つが、ミシガン州の上院議員選でのエルサイド氏の当選だ。大統領選で激戦州となるとみられる同州で共和党候補に楽勝し、イスラム教徒として初めて上院議員選を制した。

ソスニック氏は4日、「民主党内のあらゆる層が、昨夜の結果に自信を見いだせる」とし、「党内の意見の違いを誰かが抑え込むことができるとも、抑え込むべきだとも思わない」と話した。

民主党には出馬を検討していることを認めた、あるいは出馬の可能性を否定していない候補者予備軍が数人いる。2024年大統領選でトランプ氏に敗れたハリス前副大統領、カリフォルニア州のニューサム知事、ケンタッキー州のベシア知事、ブティジェッジ前運輸長官、そして急進左派の中心的人物であるニューヨーク州のオカシオコルテス下院議員などだ。

ロイターは民主党の主な潜在的候補者9人の代表者に連絡を取ったが、出馬すると確認した人は皆無だった。

中間選挙から9日後の12日、ブティジェッジ氏や急進左派のカンナ下院議員(カリフォルニア州選出)を含む数人の有力な候補者予備軍が「マジョリティー・デモクラッツ」がデンバーで主催する集会に出席する予定だ。

マジョリティー・デモクラッツは主に穏健派の民主党員や大富豪の献金者スティーブ・マンデル氏が支援するグループで、党指導者の若返りと、より中道的な党綱領を提唱している。

同グループの議長を務めるマサチューセッツ州のオーチンクロス下院議員は今回のイベントについて、大統領選の構図が固まる前に党の将来についての議論を巻き起こし、単なる反トランプにとどまらない前向きな政策案を提示することを目的としていると述べた。

民主党の参謀スコット・ファーソン氏は、大統領選予備選には膨大な数の候補者が出馬する可能性があると言う。「『私は出馬すべきだろうか』と身近な人々に問いかけている民主党員は、少なくとも30人はいる」と語った。

<トランプ氏の影に隠れる共和党>

対照的に、共和党の候補者に名が挙がる人物たちは慎重で、ほとんどがトランプ氏の影に隠れ、彼に敬意を払ってきた。

ただ中間選挙での大敗を経て、その状況は変わるかもしれない。

共和党の参謀マット・ドール氏によると、特に難しい立場にあるのはバンス氏だ。副大統領であるゆえに、他の候補者予備軍ほどトランプ氏と距離を置く自由がない。「バンス氏には、辞任できる閣僚のような抜け道がない」という。

それでもバンス氏は4日、イランとの戦争が、共和党に敗北をもたらしたことを認めた。しかしトランプ氏も3日夜に同様の見解を示しており、同氏との明確な決別を意味するものではない。

バンス氏は家族の事情を理由に「出馬しない可能性がある」とし、ルビオ氏は現時点で大統領を目指す「計画はない」と述べている。

2024年の大統領予備選でトランプ氏に敗北したフロリダ州のデサティス知事は、再出馬を否定していない。

このほか共和党で潜在的な候補者とみられているのは、アーカンソー州のサンダース知事やテキサス州選出のクルーズ上院議員などだ。

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