Inti Landauro Foo Yun Chee

[ブリュッセル 3日 ロイター] - 欧州連合(EU)司法裁判所の法務官は3日、米グーグルの対話型人工知能(AI)「ジェミニ」による報道機関の記事利用について、著作権規則に違反する可能性があるとの意見書を公表した。

ルクセンブルクに拠点を置くEU司法裁判所で争われているのは、ハンガリーのウェブサイト運営会社ライク・カンパニーがグーグルのジェミニに対して起こした訴訟。背景には、対話型AIが生成するニュース要約が、報道機関サイトへのリンクを表示する従来型検索エンジンに代わることで、メディア各社はアクセス数の減少に直面している状況がある。

EU司法裁判所は今後数カ月以内に判決を下す見通し。裁判所は法務官の多数派の勧告的意見に従う事例が多い。

今後裁判所がグーグルに不利な判断を下せば、同社がコンテンツ利用料の支払いを迫られる可能性があり、ライク・カンパニーのようなオンラインメディアにとっては追い風になる。

法務官のマチェイ・シュプナル氏は「大規模言語モデル(LLM)を活用した対話型AIが報道機関のウェブサイトから記事を取得し、それを利用して回答を生成して利用者に提供する場合、一定の状況下では報道機関の権利を侵害する可能性がある」と述べた。

同氏によると、対話型AIがペイウォールなどの技術的障壁を不正に回避して記事にアクセスしたり、記事の表現を識別可能な形で再利用したりするケースでは、ジェミニの回答は報道機関の複製権の対象となり得る。

一方で同氏は、著作権は報道記事に含まれる「事実そのもの」ではなく「具体的な表現形式」のみを保護するとも指摘。LLMの学習目的で著作権保護対象のコンテンツを利用することについては「テキスト・データマイニング例外規定」により自由に認められているとの見解を示した。

グーグルの広報担当者は「ジェミニはコンテンツを複製するのではなく、言語パターンを学習して独自の回答を生成している」と説明し、権利者が利用を拒否できる仕組みを提供していると強調した。

欧州出版社評議会(EPC)のアンジェラ・ミルズ・ウェイド事務局長は、検索サービスがニュース記事へのリンクを表示することと、AIが記事内容を要約して利用者に直接回答することは別の問題で、検索におけるグーグルの強力な支配的地位を踏まえればこの点は特に重要だと主張。報道機関が検索表示から除外されたくないので記事利用を黙認せざるを得ない、という状況は避けるべきだとの考えを示した。

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