<ウクライナが北朝鮮兵捕虜の韓国送還を暴露し、非武装地帯で北朝鮮製の地雷が爆発し、頭越しの米朝会談の可能性が浮上......外交が八方塞がりの李在明政権は、朝鮮半島問題の主導権を失いつつある>
韓国外交が迷走している。大きな出来事は3つ。1つ目はウクライナからの北朝鮮兵捕虜の韓国送還だ。韓国憲法では、北朝鮮領域の住民も韓国国民だと見なしており、それ故、政府は彼らを保護する義務を負っている。問題はこの北朝鮮兵捕虜送還が、ウクライナ政府側との間で秘密裏に行われ、さらにはウクライナ政府側に一方的に暴露されたことにある。韓国政府がウクライナ政府を激しく批判し、駐ウクライナ韓国大使を召還する事態になっている。
2つ目は、北朝鮮との間の非武装地帯での地雷爆発事故である。韓国人将兵3人が負傷したが、原因となった地雷が北朝鮮製であることは既に明らかになっており、韓国軍はこれを北朝鮮側の明白な休戦協定違反だと非難している。
3つ目はアメリカとの関係悪化である。大きなきっかけの1つとなったのは、韓国で大展開するオンライン小売業者で、アメリカに本社を置くクーパン社をめぐる問題だ。昨年発生した情報漏洩事件をきっかけに、さまざまな機関からクーパンへの調査が行われているが、これに対して米下院が今年7月、「アメリカやその他の外国企業に対する長年にわたる経済的差別の一環」だとする報告書を出した。続いて同じ下院の「米中戦略競争に関する特別委員会」の委員長が、韓国の対中姿勢に懸念を示し、今月には韓国情報機関関係者のアメリカ入国ビザ発給も滞っている。
韓国にとっての大きな問題は、この背後でより大きな動き、すなわちトランプ米大統領による米朝首脳会談の模索が行われていることだ。ウクライナでの停戦協議仲介に失敗し、イランで泥沼の戦争に引き込まれつつあるトランプは、国内におけるガソリン価格高騰で支持率を低下させ、来月3日に迫る中間選挙でも苦戦が伝えられている。このような状況で、金正恩(キム・ジョンウン)との首脳会談はトランプに残された数少ない、即効性のあるカードになっている。