韓国の李在明(イ ・ジェミョン)大統領が、北極海航路の開発を国策として正式に掲げたのは2025年9月のこと。その中心的な役割を担う海洋水産部を、行政都市の世宗から韓国最大の港湾都市・釜山に移したことからも、李政権の本気度がうかがえる。

そして今年8月、海運会社パンスターグループのコンテナ船パンスターアクロ号が、韓国初の北極海航路の試験航行のために釜山を出発した。

9月11日には、韓国造船大手3社の1つであるハンファオーシャンが、韓国として2隻目となる砕氷船の建造を開始した。既存の研究用砕氷船アラオン号の2倍以上の規模になるという。

アジアの中堅国である韓国が、北極圏における海運に経済的・戦略的チャンスを見いだしているのは明らかだ。

その背景には、北極圏の大幅な気温上昇と、それによる海氷の消失がある。米NASAによると、北極圏の9月の海氷域面積(1年で最も少なくなる時期だ)は、「1981年以降、10年ごとに12.2%のペースで縮小してきた」。

このレベルの海氷域面積の減少と、古くからの海氷が薄くなる現象は多くの懸念をもたらす一方で、北極海の航行可能期間を長くし、これまで到達困難だった地域へのアクセスも可能にしている。

北極評議会(北極圏国や先住民団体などから構成される政府間協議体)によると、2025年に北極圏を航行した船舶は1812隻と、過去最多となった。27年夏には海氷が事実上消失する日が訪れるとの予想もあり、北極海の海運は今後も活発化しそうだ。
 

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