Polina Devitt
[ロンドン 3日 ロイター] - 産金業界団体ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は3日、今年の金投資需要の見通しを従来の前年比400トン増から200トン増へ下方修正した。金地金や金貨への需要低迷を理由としている。一方、各国中央銀行による金購入の予想は引き上げた。
金現物価格 は10月30日に1年ぶりの安値を付けた。1月に1オンス=5595ドルの過去最高値を記録して以降、イラン戦争による原油価格上昇や金利上昇観測の強まりを受け、これまでに29%下落している。
WGCは3日公表した四半期需要動向報告書で「金の上場投資信託(ETF)への需要が予想を上回る中で、金地金と金貨への需要は依然として比較的底堅かったものの、2026年下半期に入って著しく減速した」と説明した。
現物で裏付けられた金ETFへの資金流入は、第3・四半期に211トンだった。債券利回りの大幅上昇やドル高、地政学的緊張の緩和にもかかわらず、流入超となった。
WGCは「これは、財政を巡る懸念や広範な不確実性が、金保有に伴う機会費用の上昇を部分的に相殺したことを示唆している」と解説した。
またWGCは、米中間選挙も不確実性の新たな要因になると指摘。民主党の支配力が強まれば金相場を下支えする可能性があるものの、政策面での影響や市場の反応はいずれも依然として不透明だとした。
ETF需要とは対照的に、個人投資家が様子見姿勢を続けたことから、金地金と金貨の需要は第3・四半期に前年同期比19%減の268トンとなった。宝飾品需要も17%減の313トンと、統計を開始した2000年以降で最も低調な第3・四半期になった。
報告ベースおよび推計ベースの購入を含む中央銀行の金購入は42%増の321トンで、四半期ベースでは2024年第4・四半期以来で最高となった。公式に報告された購入では、ポーランドと中国が全体をけん引した。
この購入により、年初来の純購入量は675トンに達し、WGCは2026年の中央銀行の需要見通しを引き上げた。現在では、少なくとも2025年の購入量である848トンに匹敵する水準になると予想している。
WGCの欧州・中東・アフリカ(EMEA)担当シニアアナリスト、クリシャン・ゴポール氏は「今年の中央銀行による年間購入量は、昨年を上回る可能性がある」と述べた。