Miho Uranaka
[東京 2日 ロイター] - 米人工知能(AI)開発大手アンソロピックは2日、米ナスダック市場への新規上場計画に関し、日本の投資家向け一般募集の有価証券届出書を関東財務局に提出した。新規株式公開(IPO)に伴う日本国内での募集額の上限は35億ドル(約5528億円)とした。
株式募集はみずほ証券が事務幹事を務め、ゴールドマン・サックス証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、モルガン・スタンレーMUFG証券、楽天証券とSBI証券が取り扱う。国内の個人や機関投資家に販売する。
調達資金は、運転資本や営業費用、インフラなどの設備投資、高度な専門人材の採用・定着を含む一般的な事業目的に充てる方針。事業・製品・サービス・技術の取得や投資に活用する可能性もあるが、現時点で重要な買収や投資は決定していないという。
アンソロピックのIPOについて、全体の調達や売り出しの金額は明らかになっていない。ロイターは、アンソロピックが最近の投資家向けイベントで財務情報の一部を開示した後、既存株主や出資を検討する投資家の一部が同社の評価額を約1兆5000億ドルと見積もっていると報じていた。
日本では近年、海外企業による大型IPOを国内投資家向けにも販売する動きが広がっている。6月に実施されたスペースX<SPCX.O>のIPOでは、過去最大となる750億ドル(約12兆円)を調達し、日本ではそのうち22億ドル(約3500億円 )販売した。
アンソロピックは2021年に設立された米AI開発企業で、大規模言語モデル「Claude(クロード)」を中核に、企業向けや開発者向けの生成AIサービスを展開。アマゾン、グーグルなど大手テック企業の支援を受けながら事業を拡大しており、企業の業務効率化やソフトウエア開発支援など幅広い用途で顧客基盤を広げている。
生成AI需要の拡大を背景に26年上半期(1─6月)の売上高は162億8600万ドルと前年同期の11億6300万ドルから約14倍に急成長した。一方、インフラ投資や人材確保に伴うコスト負担も大きく、純損失は807億4800万ドル(前年同期は129億6900万ドル)となった。