[フランクフルト 30日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)当局者は30日、高インフレの抑制と賃金・物価の相互加速を防ぐため、追加利上げが必要になる可能性があるとの見方を示した。
ECBは前日の理事会で利上げを議論したが、エネルギー価格主導のインフレ急進が危険な二次的波及効果をまだ生んでいないとの判断に基づき、最終的に全会一致で据え置きを決めた。
30日の当局者発言からは、利上げが先送りされたにすぎず、12月の利上げがあり得ることを示した。
イタリア中央銀行のパネッタ総裁はローマで「物価上昇が家計や企業の期待や行動に定着して食い止めに代償を伴う賃金と物価の上昇スパイラルを引き起こすことを、金融政策は防ぐことができ、また防ぐべきだ」と指摘。「インフレ率が長期にわたり目標を上回る見通しで、リスクも上振れ方向にあることから、政策金利のさらなる引き上げが必要になる可能性がある」と述べた。
LSEGのデータによると、市場は12月の利上げ確率を約3分の2と見込んでいる。2026年にすでに実施された2回の利上げに加え、今後1年間に3回近くの利上げを予想している。
オーストリア中央銀行のコッハー総裁も30日のブログ投稿でパネッタ氏と同様の見解を示し、「近い将来に状況が改善しなければ、金融政策を取り巻く環境からみて対応が必要になるだろう」と記し、「インフレリスクは明らかに高まった。ただ、時期尚早な行動も、何もせずに待つことも、物価安定を確保することにはならない」とした。
ユーロ圏の9月インフレ率は3.8%と、ECBの目標のほぼ2倍に達した。エネルギーコストの再急騰と食品価格の上昇により、今後数カ月に一段と加速する可能性がある。
ECBが30日に公表した調査によると、インフレ率は26・27年に従来予想を上回るペースで加速し、目標に戻るのは28年になる可能性がある。
エストニア中央銀行のカーシク総裁は「物価上昇が予想よりも速く、長期にわたって続くリスクは依然として大きい」と指摘。「したがって、金融市場がECBの追加利上げを見込んでいることは理解できる」と語った。
一方、パネッタ氏は慎重な姿勢も示し、ECBは「金融政策を段階的に調整する」際、最近の債券利回りの急上昇がすでに借り入れコストを押し上げていることを考慮すべきだと述べた。