Timothy Gardner
[ワシントン 21日 ロイター] - 米エネルギー省は21日、急騰しているヒーティングオイル(暖房油)価格の抑制を目指し、100万バレル規模の緊急暖房油備蓄の最大約3分の1を貸し出す方針を発表した。
同省は、北東部メーン、マサチューセッツ、コネティカットの各州にある暖房油備蓄から最大31万5000バレルを貸し出すと説明した。受け渡しは11月13日までに完了する予定。
この措置は、与野党の上院議員らが政府に対し備蓄から暖房油を放出するよう求めていたことを受けた動きだ。
暖房油は軽油(ディーゼル燃料)と成分が類似している。軽油価格は、イラン戦争による中東地域での混乱を背景に1ガロン当たり6.50ドルを超える過去最高水準に達している。
エネルギー省の関係者によると、政権はさらなる備蓄放出が必要かどうかについても検証する方針だ。
米国が北東部家庭用暖房油備蓄を活用したのは、2012年にハリケーン「サンディ」が同地域に襲来して以来一度しかない。この緊急備蓄はニュージャージー、コネティカット、マサチューセッツ、メーン各州の施設に保管されている。
ニューイングランド地域では住宅の約3分の1が暖房油を使用しており、メーン州ではその割合が約半分に達する。
暖房油価格の高騰は、11月3日の中間選挙を前に重要な争点として浮上している。トランプ大統領率いる共和党は連邦議会上下両院での多数派維持を目指しており、接戦となっている複数の上院選挙区にも暖房油の高騰が影響を及ぼしている。
共和党のスーザン・コリンズ上院議員(メーン州選出)は再選へ向け厳しい選挙戦に直面しているほか、ニューハンプシャー州の上院議席を巡っては、民主党のクリス・パパス氏と共和党のジョン・スヌヌ氏が互角の戦いを展開中だ。
ライト米エネルギー長官は「エネルギーコストを引き下げるために、あらゆる措置を講じる」と表明した。エネルギー省によると、燃料小売業者や石油ターミナル運営会社を対象に競争入札を実施し、燃料不足に直面する地域へ供給を行う。
一方、アナリストらはこの措置に懐疑的だ。ガルフ・オイルの首席エネルギー顧問トム・クロザ氏はXに、この措置について「不可解であり、恐らく効果は限定的だ」と投稿し、価格への影響はないとの見方を示した。