[21日 ロイター] - ゴールドマン・サックスは20日付のリポートで、世界の原油輸送運賃の平均が1年前の7倍の水準にとどまっており、中東紛争が続く間は急低下する可能性が低いとの見方を示した。同行の北海ブレント価格予測に一定の上振れリスクをもたらしているという。
リポートの主な内容は以下の通り。
• 世界の原油輸送運賃の平均は、1年前の1バレル=3ドルから20ドル超に急騰。中東航路では35ドルを超えた。
• ホルムズ海峡を通航する際の戦争リスクに伴う割増料金と船舶間の積み替えが、世界の原油輸送運賃の前年比上昇幅の半分以上を占めている。
• 運賃上昇は貿易の流れを変えることで原油の油種間の価格差を拡大させ、石油製品価格を下支えする一方、精製業者の純利益率を圧迫している。
• 湾岸地域からの原油輸出が回復すれば原油価格の下落も予想されるが、船舶間の積み替えが輸出増加をけん引している場合は運賃が上昇する可能性がある。
• 基本シナリオは、北海ブレント価格が2026年末までに90ドルに下落し、27年平均で80ドルになるというもの。ただ、このシナリオでも、ホルムズ海峡の安定した通航が確保されない限り、湾岸地域の生産回復と安定的な輸出には引き続き船舶間の積み替えが必要になる。
• 運賃の高止まり長期化に加え、船舶への攻撃激化や石油インフラの損傷、地政学リスクプレミアムが下がりにくくなる可能性が、北海ブレント価格予測の上振れリスクになる。
• 中東からの石油製品輸出の回復が進んでおらず、船舶燃料の供給逼迫が長期化する可能性がある。