Robert Harvey Enes Tunagur Ahmad Ghaddar
[ロンドン 20日 ロイター] - ロシア産軽油は、従来の主要輸出先に出荷が再開されつつある。米国がロシア産燃料供給への制裁を一時停止し、ロシアも自国の輸出禁止措置を解除したためだ。船舶追跡データ会社ケプラーとLSEGのデータによると、少なくとも2隻のタンカーが最近、トルコとブラジルに向けて航行していることが分かった。
ロシアは9日、軽油の輸出禁止措置を解除。同措置は、ウクライナのドローン(無人機)攻撃による製油所被害を背景に国内で燃料不足が発生したことを受けて導入されていた。解除は、トランプ米大統領との間で世界市場向け軽油供給に関する合意に達した後に行われた。
合意には、ロシア産燃料供給に対する米国の制裁を一時的に解除する内容が含まれる。一方で、欧州連合(EU)と英国によるロシア産燃料輸入の禁輸措置は引き続き有効となっている。
ロシアは通常、米国に次ぐ世界第2位の軽油輸出国だが、輸出禁止措置導入前の夏場から輸出量を減らしていた。
データによると、今年のロシアの軽油輸出量はこれまでの平均で日量約34万5000バレルと、前年同期比41%減少した。
こうした中で1隻のタンカーが16日にロシア・バルト海沿岸のプリモルスク港を出港後、ブラジル北部マナウスを目的地として航行中で、14日にもプリモルスク港を出港したタンカーが、トルコ南部アランヤに向かった。
ケプラーによると、両船とも30万バレルの軽油を積載している。
そのほかモロッコも、ロシアによる輸出禁止措置解除後、軽油の輸入を開始した。ケプラーのデータに基づくと、今年のロシア産軽油積み出し先の内訳は、トルコが約34%、ブラジルが24%、モロッコが10%となっている。
ケプラーの地政学リスク部門責任者ミシェル・ブロハード氏は「ロシア産軽油が市場に戻る過程では、既存の貿易ルートが最初の供給先として最も合理的だ。世界的な軽油供給が依然として逼迫する状況においては、新たな販路開拓に時間を費やすより、大量供給を迅速に受け入れられる顧客を優先するとみられる」と述べた。
また事情に詳しい関係者3人の話では、トルコの燃料供給業者はロシア産軽油輸出再開を見込み、国内製油所からの軽油購入を減らしている。
ケプラーによると、ロシアの軽油積み出し量は11日から20日までの期間で約21万トン(約156万バレル)となった。