さらに研究チームは、2008年に新たにてんかんと診断されたフランスの30~55歳の成人を最長10年間追跡した。
その結果、新たにてんかんと診断された人の2.2%が若年性認知症を発症した。2008年以前からてんかんがあった人では1.7%、てんかんのない人では0.2%だった。
脳卒中や気分障害、外傷性脳損傷などの影響を考慮しても、新たにてんかんと診断された人は、てんかんのない人に比べて若年性認知症を発症する可能性が6倍高かった。以前からてんかんがあった人でも74%高かった。
米ストーニーブルック・メディシンの神経科医レベッカ・シュピーゲルは、今回の結果は重要だが、慎重に解釈する必要があると指摘する。新たに起きた発作そのものが認知症の原因なのではなく、神経変性の初期症状として現れている可能性もあるためだ。
また、てんかんのある人に認知機能の問題が生じても、それが必ずしも認知症を意味するわけではない。てんかん患者にはうつ病や不安症を併発する割合が非常に高く、これら治療可能な要因が影響しているケースも考えられる。
今回の研究には限界もある。使用したデータには、認知症の具体的な種類や原因、てんかんのタイプなどの詳細な情報が含まれていなかった。また、対象は国民皆保険制度を持つ高所得国のフランスとスウェーデンであり、ほかの国でも同様の結果になるとは限らない。
なぜてんかんと若年性認知症に関連があるのかについては、さらなる研究が必要だ。一方、シュピーゲルは、相対的なリスクが上昇していても「今回の研究で若年性認知症を発症したてんかん患者はごく一部だった」と指摘。その上で、今回の結果は、てんかんのある人の認知機能をより注意深く評価する必要性を示していると述べた。
Reference
Calonge, Q., et al. (2026). Association Between Epilepsy and Young-Onset Dementia. Neurology. https://doi.org/10.1212/WNL.0000000000218700.
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