注意欠如・多動症(ADHD)のある人は、認知症の兆候の1つである認知機能低下を発症するリスクが高い可能性があることが、国際的な研究チームの調査で明らかになった。

さらに、ADHDのある人が認知機能低下を発症した場合、ADHDのない人に比べて健康状態への悪影響がより顕著に現れることも分かった。

成人のADHDと認知症リスクの上昇との関連は、これまでの研究でも指摘されている。今回の結果は、両者の関係を解明するさらなる研究の必要性を示すとともに、ADHDのある人が加齢に伴い、よりきめ細かな健康管理や支援を必要としている実態を浮き彫りにしている。研究結果は10月7日、医学誌「JAMAサイキアトリー」に掲載された。

ADHDは小児期に多くみられる神経発達症(発達障害)の1つで、成人期まで継続することも多い。米疾病対策センター(CDC)によると、米国では約1550万人の成人がADHDを抱えている。

成人のADHDでは、注意を持続させることや、単調な作業を最後までやり遂げること、物事を整理して進めることなどが難しい場合があるほか、落ち着きのなさといった多動症状が現れることもある。

研究チームは、50歳以上の米国人約20万人の診療データを分析。その結果、ADHDのある人では約7%がその後に認知機能低下を発症していたのに対し、ADHDのない人では約3%だった。

また、認知機能低下を発症した人のうち、ADHDのある人は、ADHDのない人に比べてメンタルヘルスの状態や生活の質、社会生活への満足度が低く、医療サービスの利用も多かった。

高齢期まで見据えた支援や介入が必要
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