子供の頃の体力が、成人後のメンタルヘルスにも影響する可能性があることが、新たな研究で示された。

オーストラリアのタスマニア大学メンジーズ医学研究所とアデレード大学の研究チームによると、子供から10代にかけて心肺体力が高かった人ほど、成人後にうつ病になるリスクが低い傾向がみられた。研究は12月1日付で学術誌『ジャーナル・オブ・アフェクティブ・ディスオーダーズ』に掲載される予定だ。

研究チームは、1985年に7~15歳だったオーストラリアの子供1000人以上のデータを追跡調査した。当時、1.6キロ走による心肺体力の測定や、立ち幅跳びによる筋力テスト、自転車を使ったテストなどを実施。その30年以上後、参加者が36~49歳になった時点でメンタルヘルスを評価した。

研究著者の1人で、タスマニア大学の博士研究員ブルックリン・フレイザーによると、1.6キロ走の速度で測った心肺体力が標準偏差で1ポイント上がるごとに、成人後のうつ病リスクは13%低下した。

なかでも強く一貫した関連がみられたのが、息が上がるような運動によって高められる心肺体力だった。また、この傾向は女性でより顕著だったという。

ただし、米マウントサイナイ医科大学のニコール・アベナ教授(神経科学)は、30年以上にわたる長期の追跡期間に研究の価値があるとしつつも、「示されたのはあくまで相関関係であり、子供時代の体力不足が成人後のうつ病を直接引き起こすと証明されたわけではない」と指摘する。

体力とうつ病はなぜ関連するのか
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