高齢者にとって身近な昼寝が、認知症の発症リスクと関連している可能性が、新たな研究で明らかになった。
米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームによると、昼寝の頻度や、意図して眠ったかどうか、睡眠時間の長さによって、認知症の発症リスクに違いがみられた。
ただし、今回の研究は観察研究であり、昼寝が直接認知症を引き起こすことを証明したものではない。研究結果は10月5日、学術誌『ザ・ジャーナルズ・オブ・ジェロントロジー:メディカル・サイエンシズ』オンライン版に掲載された。
研究チームは、2013年の研究開始時点で認知症を発症していなかった65歳以上の米国のメディケア加入者約1000人の臨床データを分析し、最長10年間追跡した。
その結果、ほぼ毎日、あるいは毎日昼寝をする人は、ほとんど、またはまったく昼寝をしない人に比べ、認知症を発症するリスクが48%高かった。健康状態や夜間の睡眠などの要因を考慮しても、この関連は認められた。
また、眠るつもりがなかったのに寝入ってしまう「意図しない昼寝」をする人では、認知症リスクが39%高かった。また、昼寝の長さも影響しており、睡眠時間が30分以下の場合でもリスクが40%上昇していた。
研究チームは、昼寝と認知症には「双方向」の関係がある可能性を指摘している。昼寝が認知症リスクに影響する一方、認知機能の低下によって日中に眠ることが増えている可能性もあるという。
マウントサイナイ医科大学の睡眠医学・神経科学の専門家であるアンドリュー・バーガ医師によると、認知症に関連するアミロイドやタウと呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積し始めると、早い段階で睡眠と覚醒、体内時計を調節する神経細胞が影響を受ける可能性がある。
「そのため、本来なら眠る時間ではない日中に、眠気が生じるようになる可能性がある」とバーガは説明する。