Patturaja Murugaboopathy
[15日 ロイター] - プライベートクレジットのダイレクトレンダーは、取引活動が鈍化し、借り手が銀行システムのシンジケートローン市場に戻っているにもかかわらず、過去最高額の資金を調達しており、魅力ある機会が細る中で資金投入プレッシャーが高まっている。
ダイレクトレンディングファンドは2026年1─9月で前年同期比35%増の1291億5000万ドルを調達し、16年までさかのぼれるプレキンのデータで過去最高の9カ月間となった。
一方、ピッチブック/LCDによると、第3・四半期の融資実行額は前年同期比28%減の497億7000万ドルとなった。
レイモンド・ジェームズのプライベートキャピタル助言部門グローバル責任者スナイナ・シンハ・ハルデア氏は「資金調達と融資実行のミスマッチにより、資金を働かせる上で圧力が高まっている」と指摘。このミスマッチは借り手の構造的な不足ではなく、魅力的な価格の案件が周期的に不足していることに加え、シンジケート市場からの競争が重なった結果だとする。
資金が豊富である一方で案件が乏しい状況は、スプレッド、レバレッジ、あるいは契約条件の面で譲歩せざるを得ない圧力となる可能性があるという。
ピッチブック/LCDのデータによると、22年と23年には、シンジケート市場からダイレクトレンディングへ移行した融資が、その逆方向への移行を上回った。
しかし、今年はそのバランスが逆転。第3・四半期には、約163億9000万ドルのダイレクトレンディング融資がシンジケート市場でリファイナンスされたのに対し、シンジケート融資からダイレクトレンディングへ移行したのはわずか26億ドルにとどまった。
ロイス・ストーン・キャピタルのタレク・オマール最高投資責任者(CIO)は、両方の市場にアクセスできる借り手は、手数料や借り換えコストを考慮すれば、当然ながらより低コストの資金調達に傾くことになると説明。「選択肢の多い借り手が返済を行えば、選択肢の少ない借り手が残りの融資のより大きな割合を占めることになる」と語った。
とはいえ、プライベートクレジットにとどまる借り手が必ずしも信用力の低い借り手であるとは限らない。シンジケート融資が資金調達ニーズに合わないため、比較的小規模な企業がダイレクトレンダーに付き合う場合もあるからだ。
前出のシンハ・ハルデア氏は「規律の真価が問われるのは、資金を未運用にしておく覚悟があるかどうかだ」と述べた。