アメリカとイランとの戦争の終結をめぐり、両国の発言には食い違いがみられる。

ドナルド・トランプ米大統領は、イランにはもはや持ちこたえる力がないと断言する一方、イラン革命防衛隊のアフマド・バヒディ総司令官らは、自国が「史上最も充実した装備を持つ軍の傲慢さを打ち砕いた」と主張している。

しかし、双方が相手から譲歩を引き出そうとしている現状をみると、対立はさらに長期化する可能性がある。いずれかが明確な勝利を収めるのではなく、中東地域が「平和でもなければ戦争でもない」状態に縛られ続けることも考えられる。

その背景にあるのは、双方の情勢判断を支配する「自分たちは勝っている」という認識だ。アメリカもイランも、戦況は重大な譲歩を必要とするほど不利ではないと考えている。

イラン側は、大規模な空爆と海上封鎖に戦略的に耐え抜いたばかりか、イラクでの航空封鎖も突破したとみている。アメリカの航空規制によって数日間運航が止まっていたものの、2026年10月4日、運航停止後初めてイランの航空機がナジャフ空港に着陸したという。さらにイランは、ミサイル、無人機、核関連能力という抑止の手段を維持できたと認識している。

これに対し、トランプは、戦況が膠着しているという見方を受け入れていない。「エピック・フューリー(壮絶な怒り〕」作戦と「最大限の封鎖」政策によって、イラン国内の重要拠点への攻撃や石油輸出の全面停止など、軍事作戦上の具体的な成果が得られたと考えている。

そのため、トランプは依然として、別の圧力手段によってイランを後退させられると期待している。その手段には、フライドバイ機をめぐる事件へのイランの関与が確認された場合の攻撃再開、ウラン関連施設に対する特殊作戦、さらには海上封鎖と並行した全面的な航空封鎖などが含まれる。

こうした状況のもと、交渉の場で語られる内容と、現実の軍事的対立との間には大きな隔たりが残っている。

軍事的緊張が再び高まる可能性
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