David Milliken
[バンコク 15日 ロイター] - 英国のヒーリー財務相は15日、今月28日に初めて発表する予算案において、銀行の巨額の利益に対する追加課税が盛り込まれる可能性について記者団から追及された際、銀行は英経済にとって極めて重要であると述べた。国際通貨基金(IMF)の年次総会に出席するため訪れているバンコクで記者団に語った。
多くの金融機関が金利上昇の恩恵を受けている現状において、標準的な法人税に加えて銀行に課される3%の追加課税を引き上げれば、数十億ポンドの税収増が見込まれる。
しかし、銀行側は、他の主要な金融センターと比較して、英国ではすでに高い税負担を負っていると主張しているほか、一部のアナリストは、銀行税の引き上げにより銀行が手数料を引き上げることになると指摘している。
ヒーリー氏は「銀行について私が感じるのは、人々は銀行を『巨大で遠い金融機関』と見なしがちだが、実際には銀行はこの国の経済構造や将来の見通しに深く根ざしているということだ」と語った。
その上で、「それでも私は予算案で決定を下す必要があり、そうするつもりだ」と述べた。
ヒーリー氏の発言を受けて、英紙ガーディアンは、同氏が予算案に銀行課税を盛り込む構えにあると報じた。
同紙の報道によると、銀行追加課税の引き下げを撤回することもヒーリー氏が検討している選択肢の一つという。だが同紙は、最終決定が下されたかどうかについては言及していない。
英国の銀行を担当するアナリストたちはここ数週間、銀行が利益に対して支払う追加課税の引き上げが濃厚であると示唆しており、以前の水準である8%への復帰や、2─3%ポイントの小幅な引き上げが選択肢とされる。
現在、この追加課税による歳入は年間10億ポンド強(13億ドル)に上る。
一方、銀行の経営陣はこうした増税を回避できるとの確信を強めている。英国の2つの金融機関の最高経営責任者(CEO)はロイターに対し、増税は融資を抑制する恐れがあると主張した上で、増税は予想していないと語った。
業界団体「UK Finance」は、ヒーリー氏の発言に対し、銀行税の引き上げは「英国の競争力を弱め、投資や雇用創出を阻害し、成長を実現するという政府の目標に逆行する」と表明した。
ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、ヒーリー氏は銀行を「英国経済の王冠を飾る宝石の一部」と表現した。
銀行への増税が自己資本規制の緩和によって相殺される可能性について問われると、同氏は予算に関する憶測には加わらないと述べた。
今週、IMFは主要先進国の中で英国を特に称賛し、2029/30会計年度までに投資以外の経常的な歳出を税収で賄うことを目指す財政赤字削減プロセスを開始した点を評価した。
ヒーリー氏は15日、記者団に対し、インフレ率の上昇や世界的な金利上昇により目標達成の余地が狭まる可能性が高い中、予算案において赤字削減の「道筋を堅持する」意向を明らかにした。
英政府の借入コストは先週、98年以来の最高水準に達し、他の主要先進国よりも高くなっている。