<実写制作のバックグラウンドを持つ異色の体制が、巨大化する国内アニメ産業に新たな風を吹き込む?>

9月末、オタワ国際アニメーション映画祭で日本の『我々は宇宙人』が長編グランプリに輝いた。監督の門脇康平は東京藝術大学出身の29歳。5月にはカンヌ映画祭「監督週間」の公式上映にも選ばれている。9月25日の日本での劇場公開後は、少ないスクリーン数ながら、口コミからスマッシュヒットになっている。

(※『我々は宇宙人』予告編)

小学3年生で出会った2人の少年が、やがてすれ違い、大人になった後までを描く。大きな事件が起きるわけではなく、親友だった2人の立場が入れ替わり、誰もが持つ少年時代のヒリヒリする経験が積み重なる。かつてあった映画会社、日本アート・シアター・ギルドを彷彿とさせる。どこか実写的なのだ。

昨今、日本アニメへの注目が高まる一方で「劇場スクリーンがアニメに占拠されている」という実写映画関係者のため息が聞こえる。昨年の国内映画興行収入は実写邦画が約1000億円で、国内アニメもほぼ同規模。劇場アニメの公開本数が実写の約8分の1であることを考えれば、確かにアニメの勢いはすさまじい。

『我々は宇宙人』は、実写とアニメの間に存在する溝に疑問を投げかける。映画を企画・制作したレーベルNOTHING NEWが手がけるのはアニメだけでなく、これまでは実写が中心で、国内のアニメ制作会社としては異質だ。数ある映像表現の中で、今回はたまたまアニメを選んだのだろう。

国内での知名度が低い監督や制作会社も受賞するように
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