イラン戦争以来の燃料価格の高止まりで、電気自動車(EV)の魅力が高まっている。8月のEV市場では中国と北米で需要が低下したが、欧州の販売台数は前年比29%増の38万台に急増した。
EVは石油依存からの脱却につながる。電力はガソリンとは異なり、天然ガスや原子力、風力、太陽光など国内のエネルギー源から生み出すことができるからだ。
だが石油依存が減っても、エネルギーをめぐる競争は舞台が移るだけだ。EVは家庭や産業、AIデータセンターと電力を奪い合う。国際エネルギー機関(IEA)は、電力需要が30年までにエネルギー需要全体の2.5倍のペースで増加すると予測する。
それでも石油と電力では事情が異なる。「石油の供給が止まれば、経済のほぼ全ての部門が直ちに打撃を受ける」と、カーネギーメロン大学のジェレミー・ミハレク教授は指摘する。一方、電池材料の供給が止まっても、既存の車両や電池は使い続けられる。
最大の課題は、需要の伸びに対応する発電所や送電網など地域の電力インフラの整備だ。EVとAIの普及が加速するなか、電力供給網を十分な速さで拡張できるかが問われている。
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