「50年前、教育熱心な家庭は公立校を目指した」
また、契約校では裕福な家庭の子どもの割合が増える一方、貧しい家庭の子どもの割合は低下。地元の公立校を避けるために私立へ移った家庭や、学校の安全性や教員の欠勤を懸念した家庭もあったという。
契約校に通う生徒のうち、「非常に恵まれた」家庭の出身者の割合は、2000年の26.4%から21年には40.2%に上昇。現在、契約校の生徒の半数超は「恵まれた」または「非常に恵まれた」家庭の出身であるのに対し、公立校ではその割合は3分の1未満にとどまる。
ルクセンブルク大学の社会学者、ルイ・ショベル氏は「50年前、教育熱心な家庭は公立校を目指した。今では、子どもの可能性を最大限伸ばすには私立校が有利とみられることが多い」と話す。
カトリック系私立校の保護者団体APELの会長、ビルジニー・デュラン氏は、私立校家庭が必ずしも裕福とは限らず、学費のため大きな犠牲を払う保護者も多いと説明。一方で、特定地域で裕福な生徒が集中する傾向は認めた。
レミさんが暮らすナントは、契約校が多い地域の一つで、生徒の38%が私立校に通っている。レミさんは、子ども1人当たり月191ユーロ(約214ドル)の学費を支払っている。私立校は誰もが利用できるわけではなく、裕福な家庭の子どもばかりになる恐れがあることも認識している。それでも、転校させたことを後悔していない。「少なくとも、子どもたちが努力し、より良い結果を目指すよう促される環境を提供してくれると思う」と話した。

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