※あのニュースはどんな業界に影響するのか、あの企業の株価が動いたのはなぜか……。連載「ニュースで読み解く!注目株」では、株式市場を知り尽くした執筆陣が、いま注目すべき銘柄や相場の展開を解説します。
10月末からスタートするTOPIX(東証株価指数)の見直しが、株式市場で関心を集めています。今回の見直しは東証が進めてきた市場改革の延長にあり、企業に対して株主を意識した経営をさらに促す動きが一段と強まるとみられます。
ルール変更でTOPIX採用銘柄は大幅減へ
TOPIXのルール見直しは、2022年4月の東証改革(市場区分再編)に伴う「第1段階」として、すでに取り組みが進んできました。このときは、主に流通株式時価総額100億円未満の企業を対象に、基準を満たさない企業の指数組み入れ比率が段階的に引き下げられました。
この第1段階の見直しは、2025年1月に完了しました。そして、10月末から本格的に始まる「第2段階」の見直しでは、この動きがさらに本格化します。
第1段階との違いは、投資家がより株を売買しやすくなるように流動性の基準で選ばれる点です。具体的には、売買の活発さを示す「年間売買代金回転率」で絞り込んだうえで、市場で実際に流通している株式の時価総額である「浮動株時価総額」が重視されます。
既存の採用銘柄であれば、浮動株時価総額の累積比率上位97%に入ることが条件となり、これを満たさない銘柄は四半期ごとにウエイトが引き下げられます。現在の採用銘柄数は1600を超えていますが、新規採用が30〜35銘柄ほど加わる一方で、700銘柄前後が除外対象となります。
今後、除外銘柄は段階的にウエイトの引き下げが進み、2028年7月には第2段階の見直しが完了して、最終的な構成銘柄数は980銘柄(900〜1000銘柄)程度まで絞り込まれる見通しです。
プライム上場でもTOPIXから外れる可能性
さらにポイントとなるのが、指数と市場区分が切り離される点です。TOPIXは1969年の指数誕生以降、長らく旧・東証1部を対象都市、2022年の市場再編後も大枠ではプライム市場の銘柄を対象としてきました。
しかし今回の見直しからは、スタンダード市場やグロース市場の上場銘柄も組み入れの対象になります。残留のハードルが上がる半面、東証全体から幅広く選ばれる仕組みに変わるのです。
スタンダード市場の日本マクドナルドホールディングス<2702>やセリア<2782>、フェローテックホールディングス<6890>、さらにグロース市場のGO<581A>などは、新規組み入れへの期待からすでに株価が上昇する動きも見られました。
企業にしてみれば、これまでは業績が振るわなくてもTOPIXに入ってさえいれば、インデックス(パッシブ)運用に伴う巨額の資金が自動的に流れ込んでいました。TOPIXに連動するパッシブ運用資産は約160兆円程度とみられています。
新たな組み入れルールが始まると、市場区分に関係なく、基準を満たさなければこの巨大なマネーの恩恵は受けにくくなります。上場企業はプライム市場にいれば安心という状況ではなくなり、市場からの評価をさらに高めなければならない圧力が強まるのです。