※2022年2月にロシア軍がウクライナに全面侵攻して始まった戦争は、一進一退の攻防が今も続く。歴史に類を見ない「ドローン戦争」の行方は――。連載「ウクライナ戦況報告」で報じ続けます。 

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週、アメリカのドナルド・トランプ大統領が、防空システム「パトリオット」の迎撃ミサイルをウクライナ国内で生産するためのライセンスを供与することで合意したと明らかにした。

ウクライナは以前から、パトリオット・システムの追加供与に加え、迎撃ミサイルを国内生産するためのライセンスを求めてきた。トランプは7月のNATO首脳会議でライセンス供与を表明したものの、その後「合意したわけではない」と発言を後退させ、協議が続いていた。

ホワイトハウスはまだこれを確認していない。だが、たとえ今すぐ正式にライセンスが供与されたとしても、国内生産した最初のパトリオット迎撃ミサイルが生産ラインから出てくるころには、ウクライナは焼け野原になっているかもしれない。

ウラジーミル・プーチン大統領率いるロシアの防衛産業は、弾道ミサイルと従来のプロペラ式より高速なジェット推進ドローンの生産を拡大しており、高速化と精度向上によって、ウクライナの防空網で確実に撃墜することが難しくなっている。

ウクライナ側の集計によると、ロシアは今年1~7月だけで587発の弾道ミサイルを発射した。2025年の1年間に発射した511発をすでに上回っている。また、9月27日にウクライナ上空へ飛来したロシアのドローン170機のうち76機がジェット推進式だった。28日には165機のうちほぼ半数に当たる79機を占めた。

9月26日にはゼレンスキー自身、ウクライナの防空部隊によるジェット推進ドローンの迎撃成功率が55%にとどまっていることを明らかにした。この迎撃率を27、28の両日に飛来したジェット推進ドローン計155機に当てはめると、単純計算で約70機がウクライナの防空網を突破したことになる。

パトリオット生産を待つ時間はない
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