※近年、激動の国際情勢を表現する語彙は、かつてないスピードで更新され続けています。Tech RightからCognitive Warfare、活人感、AI Slopまで――。ウェブ特集「いくつ知ってる? 世界を読み解くキーワード」では、その背景にある文脈とともに解説します。
Price Floors(重要鉱物の最低価格)
レアアースなどの重要鉱物に対して、市場価値を反映した最低取引価格を設定しようとする構想。
重要鉱物のサプライチェーン多様化を実現するためのキーになる概念。アメリカが今年2月に主催し、日本を含む54カ国および欧州委員会が参加した「重要鉱物閣僚会合」などを通じて提案され、広く浸透した。
アメリカは、重要鉱物の価格は非市場的な政策や慣行、不当廉売によってゆがめられていると問題視しており、同盟国や友好国と連携して、重要鉱物サプライチェーンにおける中国依存からの脱却を目指している。
一方で、最低価格を通じてサプライチェーンの多様化を実現するためには、複数の国で同時に同じ対応を取れるか、企業が高価格でも安定的に取引する市場を創出できるか、といった課題がある。
なお、アメリカは今年12月より、太陽光パネルなどの原料となるポリシリコンの輸入に対して、最低輸入価格を課すと決めた。当該措置が今後、重要鉱物の最低価格が機能するか否かの試金石になり得る。
[監修]
赤平 大寿
日本貿易振興機構(ジェトロ)ニューヨーク事務所調査部ディレクター。アメリカの通商政策を中心に調査・情報発信を行う。2015~17年、ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)の客員研究員。

※2026年9月22日/29日号「ニュースが分かる 国際情勢BUZZワード50」特集では、50のキーワードを一挙に解説。米中ネット社会を読み解くコラム、「次の時代」を考えるコラムも掲載しています。
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