トランプ米大統領は、先週首都ワシントンで行った中国の習近平国家主席との華やかな首脳会談について、自身と習氏との強固な個人的関係を印象付ける場になれば良いと考えていた。ところが実際に得られた成果が限定的だったため、主要な問題を巡る米中両国の隔たりが依然として大きいことを浮き彫りする格好になった。習氏にとっては、11月の米中間選挙を控えるトランプ氏に大きな政治的成果を与える理由がほとんどない、というのが専門家の間で改めて強まった見方だ。

米国のシンクタンク民主主義防衛財団(FDD)の中国問題担当シニアディレクター、クレイグ・シングルトン氏は「米中関係は、管理された膠着状態に落ち着いている。手の込んだ華やかな演出が重要になるのは、まさに実質的な進展として示せるものが依然として少ないからだ」と喝破した。

両国は、600億ドル相当の安全保障上の懸念が少ない品目に関して関税を引き下げることで合意したと発表したが、実施時期は示されなかった。その一方で、より包括的な貿易合意の期限は来年に先送りされた。

また今回の訪米で習氏に中国企業の最高経営責任者(CEO)による代表団が同行しなかったことも、中国からの投資に対する米国側の警戒感を払拭する難しさを色濃く映し出した。複数の専門家は、両首脳が5月の北京での会談で打ち出した双方向の投資構想が実際に機能するのかについても疑問を投げかけている。

シンガポールのS・ラジャラトナム国際関係大学院の上級研究員、ドリュー・トンプソン氏は「トランプ氏と習氏の首脳会談は前向きな政治的雰囲気を生み出したものの、双方の意見の相違を縮めることも、相互不信を和らげることもできなかった」と語った。

「宣伝戦」では中国が勝利