いじめ問題が語られるとき、しばしば「いじめはなぜ悪いのか?」という話題が出てくることがある。なんらかの被害を受ける人が存在する以上、文句なしに悪いことであるのは間違いない。とはいえ「なぜ悪いのか」に対する明快かつ端的な答えが示されることは、意外に少ない。
この点について注目すべきは、『いじめ後遺症』(斎藤 環・著、岩波新書)の著者が「いじめは絶対的な悪である」と断じている点だ。理由は以下のとおりである。
これは、本書全体を貫く問題意識でもあるという。ここで見落とすべきでないのは、「被害児童」ではなく「被害者」とし、「教育を受ける権利」ではなく「人生」そのものが損なわれると表現している点だ。
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